ますだいっこうのあと@ベルリン

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ラビア・ムルエ『雲に乗って』[ベルリン2015]

ずるずると日々が少々加速する焦燥感と曇天。午後ダニエル宅へ〈台詞発音チェック2度目の今日はタンデムパートナーにお願い。一人でブツブツならどうにか通して言える台詞も、いざ誰かを前にすると緊張してブチブチw。日本語台詞でも小心者な身が覚える独語台詞しかも抽象的なイエリネク文体が骨身に滲みるまでは相当時間がかかりそうと、しんなり〉後半は彼が夏までに書く論文に関して。その後ダニは外出し僕は残って一人だらける。メーリンダム2.5ユーロピザ本日は濃厚チーズにおじさんの笑顔付き。
〈その後HAU3でラビア・ムルエRabih Mroué『雲に乗って Riding on a cloud』を観るも、英独字幕からは落ちこぼれがちで、そうなると彼が入れ出しするあのCD-ROMとかカセットテープに入ってるデータがデータをデータは云々などとしばしば要らぬ脱線〉、登場する彼とは、ラビアの兄弟で、レバノン内戦の銃撃により脳に損傷を負ったイエッサ当人で、ABCから学び直さざるを得なかった言葉や、記憶、アイデンティティなどを問う作品。実際に提示されるのはイエッサが順々に再生していく、ナレーション・テキストが付された映像がほとんどで、その構造自体で演劇という前提を、あるいはフィクションとリアルの間(あわい)を揺さぶる意図なんだろう。眼前の舞台で行なわれる単調になりがちな事柄からぐっと引いて考える視る必要性が大きいわけで、そのあたりは個人的・本音的には体調次第な面も大きいのよねぇ。機能する左手だけを使って、右手はアシストしてもらってのギター弾き語りも、唯一劇的なこととして配置されてるのかもなと半分ぼんやり醒めて認識しつつもう半分は涙腺うっすら緩んでしまったけど。映像対応で中程の席に座ったせいだけかもしれないが終演後の拍手はかなり厚み/熱み?wが。
カップより大きいチョコアイスが0.99ユーロなんて危険を承知で。