ますだいっこうのあと@ベルリン

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aufBruch『Odysseus, Verbrecher.』[ベルリン2015]

営業時間内に日本の銀行へ問い合わせ電話コールセンターから直接支店に切り替わった途端言葉遣い劣化てかオドオド化。洗濯機のついでにゲネプロを観てくれたシルヴァインの感想を聞く。今夜観る芝居のための予習なんかやっとこういうことできる余裕ができて天気も夏日和でとてもポジティブ。環状線シュトルコヴァシュトラセ駅下車のニュータウンまがい街並抜け図書館で目当てのDVD借りそこで粗筋予習続き。そこいらの住人が集うインビスでケバブ。外席でノンビリ夏してる人たちにほのぼのする。M8トラムちょい乗りし広々芝生が気持いいスポーツ施設の中に受付があり、そこでシビウでの演劇祭ボランティア経由ベルリン滞在中のかもめマシーン萩原雄太さんと無事合流、以後ずっとお喋り。
aufBruch『Odysseus, Verbrecher.』@Freiluftthater in der Ruine des BVB-Freibades Lichtenberg。戦前のベルリン五輪に向け造られた後に放置されることになったプール跡での屋外上演。浅めのプール跡と下手に飛び込み台のあるやや深めのプール跡、上手に平屋の建物、廃墟群後方に西日が見え隠れする背の高い樹木、プールサイド部分の仮設席から眺めるかっこう。ギリシャ叙事詩「オデュッセイ」からChristoph Ransmayrが再構成した戯曲にさらにいくつかのテキスト、SSヒムラーの演説も、をコラージュしての上演。主人公が戦から母国に戻るもそこは荒廃し混乱し、残した家族との軋轢とか大体そんな話w。台詞を例によってひたすら強く時に群唱で吐き佇立する30人近い出演者たちは、受刑者に元受刑者やプロの俳優も加わったアンサンブルで、荒削りなれど個性的かつ劇場では正直あまり視られないキャラクターだったり訛りもそのままだったりで、アングラ育ちババアはやっぱりこういうのも大好きなわけで。水のないプールでの赤地に白抜き四角の旗を振っての踊り、タンゴなどの群舞を、青空のもと、鳥の声、飛行機も飛ぶなかで凝視する愉しみは格別で。お気に入りは美丈夫な息子役俳優くんでタンクトップ+軍パン+色白素肌+エロ厚唇wが西日を半身に浴びて立ち尽くす景に勝手にワホワホ。残された妻役のネロネロした演技もまるでアングラ主演女優風味で素敵。唯一のアフリカ系女性のひとり少しくズレた世界にいる居方やあえて素っ頓狂は歌いぶりも印象的。全体の演出や演技云々はまあねなんだけど、何より抜けるような青空の下ゆっくり傾く日の光の下で熱演に息を飲む時間が僕的には幸せだったので、少なくとも一回性の体験としてはとてもすんばらしかった。


http://www.youtube.com/watch?v=/4Q1TkVFQeLA