ますだいっこうのあと@ベルリン

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『桜の園』@マキシム・ゴーリキー・テアター[ベルリン2014]

独語自習、2月頃校正と平行でちとおざなりだったあたりをちまちまい取り戻してる格好。夕方Cafe Mitteにて麻世さんと昨夜到着したばかりのじゅんじゅんと三人近況話あれこれ。ベルリン芸術評議会のいわば役員選挙投票@ゾフィエンゼーレへ。テアターハウス・ミッテの関係者が立候補しているので清き一票をと同所のガビにいわば駆り出されたわけ。受付で登録さえすれば僕らでも投票できるとか、各候補のミニ演説もリミット30秒がきたら小さな銅鑼が鳴らされるとか、微笑ましくも開かれたプロセスに何だか感心。そんなまるでポエトリーリーディングのオープンマイクみたいななか中座。
桜の園 Kirschgarten』@マキシム・ゴーリキー・テアター。ぶっちゃけ書けば古典的ながちチェーホフが観られるもんだとい期待と身構えものの見事にいい意味で裏切られまいたー。結論を書くと競売にかけられた「桜の園」はトルコ人の手に渡り、ずっと舞台正面を塞いでた客席両サイド壁と同デザインのパネルが、壁紙が剥がされると桜模様やおそらくトルコがらみのでっかいモノクロ写真などがビリビリ現れ、さらにロパーヒンがパネルを力づくでぶち倒すと、トルコ系の人々がわらわら登場し太鼓ドンドコ楽隊も賑やかにパーティー突入。挙げ句、老いた下僕のフィールスの最後の最後の台詞はたぶんガーエフが縮めてあっさり言って、フィールスはトルコ系と思しき旋律を木管楽器でひとしきり吹いてのち「ニヤッ」って笑ってカットアウト。という、正しい意味で口あんぐりな、正しい意味であんまりな、現在形へ引き寄せた結末。そもそも、女優ラネーフスカヤと実娘などのドイツ人っぽい顔立ちと、周りの人々とのトルコ系っぽさは幕開きから対照的だったし、ヤーシャはヤンキー上下ジャージの浅黒顔で最早召使いというよりファレルみたくでエロいし、家庭教師シャルロッタは意味不明に女装おじさんだし、何というか素敵にやらかしてくれてる印象。たぶん台詞もかなり手を入れてるんじゃないかなぁ。まるで舞台美術みたいにアップライトピアノが女性奏者付きで前半景にあって、他は最小限なのも好きだった。とはいえ一度ロシア設定の“ちやんとした”『桜の園』も観てみたい気はしてる、まさるくん訪ねてモスクワかしら?w
イメージのみだけど予告編