ますだいっこうのあと@ベルリン

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ヤスミン・ゴデール『ストロベリークリームと火薬』

ikkomasuda2006-03-02


R社@汐留出張校正。2日連ちゃんスターバックス朝ペストリー&カフェイン。「ローン返済は月々6万5000万円」てのが笑えた。ティップネス新宿。

ヤスミン・ゴデール『ストロベリークリームと火薬』(Yasmeen Godder and the Bloody Bench Present "Strawberry Cream and Gunpowder")@にしがも創造舎特設劇場を観る。東京国際芸術祭2006・中東シリーズの一作。

APEの楠原竜也くんと会場にてバッタリで連れションまでしてダンス話を開演ギリギリまでする。20周年展開催中の世田谷美術館で4月1日「エイプ」リル・フールにミュージアムジャック?な企画をやるそう。ひゃひゃ楽しみ〜。

ガランとした舞台空間に上手下手からツカツカ入ってきた女性ダンサー2人がガツッって足かけて正面切って片方は手を口に入れてしばらく静止。無音。ときに作ってみせる表情や声を発するポーズ込みでぽつんぽつんと提示されて始まっていく。少し動いて静止、でもいわゆるダンスっぽくない動作。コンタクトではあるけれどどこか生っぽい。それがじょじょに荒々しさやスピードや重なりをみせてくる。引っ張り合い、3人がかりで持ち上げ、床を転がり、跛行して横切り、覆いかぶさり、のっかり、踏んづけ、笑い、愛撫し、泣き、エルビスを歌い、と展開不可視な混沌っぷり。ギターの竿?が2本あるような楽器+電子楽器+声のライブがそのうねりを高めたり鎮めたり、そんな。

舞台には検問所の簡単なゲートがあって、開いたり閉まったり。振りの中にも、銃を向ける、銃口を口に突っ込む、取り調べ?でパンツをさげて下着を見せる、死体状態のぐったり、なんかが織り込まれている。予備知識あまりなく観ていても、中東とか戦乱っていう《イメージ》が、すんませんが無責任に浮かんできた。それでいて、関係性や感情みたいなものは、ストーリーの流れの中にあるのじゃなくて、断片断章な描き方に思えた。それゆえか、が“正しい”のだとすればイスラエルの現実が、こちら側の《現実》をも広く包んで描いているようにも誤読して視えた。以前観た中東作品、ただ現地レポートをお伝えしますーなニュアンスを大きく感じた、とは一線を画すんじゃないかしら、と。そのあたりで好感。深いところからの拍手。

後半、下・脱がされたか脱いだかでアンダーウエア一枚、上・白いシャツで、死んだか殺されたかな居方をする男性ダンサーが、手を腕を上方に激しくでたらめに動かし上半身を屈めそれから跳ぶ、みたいなそれまでよりちょっとダンスの振りっぽいシークエンスがあって、そこが一番どうしようもなくジンワリンときたな。

美加理さんが終演後わざわざ声をかけてくれた(嬉)。竜也くんに心の中でハグハグしトークはパスして早速ビールをゲットする帰り道。ああいい酒。

改めてタイトルを目にして、ああそういうことかと思う節思い至って広がる節もあり。