ますだいっこうのあと@ベルリン

在ベルリン/俳優・ゲイ/演劇コーヒー映画アート読書都市旅ドイツ語/ikko119[あっとまーく]gmail.com

2004年6月の日記

■6月30日(水) クロネコハート

D社ガイド本台北校正。最後の最後残り分が届くの待機する午後。結局夜落合駅で受け取った。

座骨神経痛をかばいながら駅まで歩いてたら、背後からクロネコバンが接近。狭い道なので追い抜けるようにと、あるアパート前の広くなったところに待避する。んが、抜かない。なによ、ここに停めたいの、ふん、って気分で振り向いて歩き出す。したらば、ドライバーが降りて追いかけてきて、「大丈夫ですか?」とわざわざ声をかけてくれた。ちょっとジワーン。



■6月29日(火) グリング『旧歌』/『マチコのかたち』

冷凍室の霜取り初体験。食料調達。九段下往復。D社ガイド本台北特集分校正。

冷気吹きつけまくりの小田急で座骨神経痛をこらえ吊革にようようつかまり立ち。ananの中吊り「恋でパワーチャージ」の妻夫木くんをぼんやり眺めてたら、ちょっと泣けてきた。

グリング『旧歌』@下北沢・「劇」小劇場を観る。入場前、作・演出の青木豪さんとご挨拶。

舞台は漁師町にある小さな造船所。褌姿の男たちが「神魔羅」を奪い合う祭りの当日。いろんな登場人物のいろんな話が交錯していく。って、書くと身も蓋もないね。

そういう設定だから男たちはほぼみんな褌姿披露。ケツ出しケツ出し。脱ぎ率も高めなれど視姦したい率は低め(笑)。んなことは、どうでもよろしくて。今までわーりと情けなーい役が多くて、それはそれでとても味だった鈴木歩己が、生真面目な造船所の従業員。「〜ッス」言葉で「さぶ」風なのが、新鮮だったりしてね。

ドアが次々に閉まっていく暗いシャンソン、ってギャグは単純に笑えましたデス。

一番の味出しは、造船所の女社長の母親の役、井出みな子。かわいいおばあちゃんなのだ。彼女の惚けて交錯した時間のなかで、ごく短い瞬間だけど現在の登場人物が思い出の父親になってしまっていたり、彼女が居眠りから醒めた瞬間=時間の断層が、舞台の(愛すべき)ウソとして一瞬で数時間後になっていたりする。それがあくまでもおばあちゃんの心情で成り立っていて、素敵だった。

なんだろ、ここんちは安定して外れなしで楽しませてくれる。いや、話はぶっちゃけ笑い飛ばす系じゃない。けっこうもの悲しかったりするんだ。それをこう「そっち」だけでも「こっち」だけでもないっていうの?(わからーん)、結論をあまりつけないっていうの? で観せてくれて、とにかく僕は好きだ。としか書けんわ。

白川幸司監督映画『マチコのかたち』@シネマアートン下北沢を観る。ついでと言っちゃなんだけど、すぐ近くだし気になったので。短編30分。観客わずか2名。

強引にでももうちょっとミュージカル仕立てなのかしらん、と勝手に期待しすぎたのが、いけなかったわね。ワンシーン程度でした。エミ・エレオノーラの謎めいた白金マダムっぷりはそれなりにイカしたものの、やや物足りない。

(たぶん)モリ・エイキくん撮影の、フライヤー写真イケメンウェイター三人にまんまと(笑)釣られちゃいましたーの巻、ってところでしょうか。



■6月28日(月) 秋葉原青山一丁目

午前、秋葉原往復。校正事務所へツアーパンフ校正を届けに久しぶりで顔を出す。オフィスの配置が変わっていたり、秋葉原駅の工事が盛大なことになっていたり。ブックオフ東中野リチャード・ヘル『GO NOW』ゲット。しめしめ。

午後、のんびり。青山一丁目往復。これまた半年振りで皮膚科へ。診察15秒で塗り薬まとめて処方。流水書房でちらり立ち読み。

控え目に呑んで煎餅布団に横たわる。考えても反省しても治らないものは治らないから、まずは大人しくすること。



■6月27日(日) 俳優祭『滑稽俄安宅珍関』

座骨神経痛不調。海外ツアーパンフ校正イヤイヤ。丸ごとじゃなくて料金・期間の確認だけなのである意味気楽ではあるが。

夜、チャンネル徘徊。ブロードウェイで活躍する日本人女性プロデューサー@情熱大陸俳優祭『滑稽俄安宅珍関』@劇場への招待。氣志團子やらタンカラヅカなんかが無責任に登場して、もうゲラゲラ。スカーレットを喜々として演じていた中村扇雀があぶねーくてもうサイコーだったわ。



■6月26日(土) 黒沢美香『ロマンチック・ナイト』

ビール漬け。結局オフの過し方ってこれしかないのかい>自分。

ティップで視るMTVでずっと気になってたブラック・アーティストがいたのね。目間距離やや広めな優男顔で、やたら脱ぐ。脱いだ体が適度なスジ筋でセクシーなの。誰だろってずっと。それが、昨日現代美術館のミュージアムショップで立ち読みした見慣れない雑誌のおかげで、判明。N.E.R.D.ファレル・ウィリアムズ。だけど試聴した音楽自体はイマイチでした。

東横線で横浜へ向かう。みなとみらい線直通になってからは初めてだ。馬車道駅下車。かーなーりリキ入った造り。壁は赤レンガ、改札を出た地下コンコースはドーム状だし。

黒沢美香『ロマンチック・ナイト in 馬車道』@BankART1929馬車道 馬車道ホールを観る。大野一雄フェスティバル2004の一環。

空間フェチにはたまらない元銀行だった洋風建築。その高い天井から、大野一雄の舞台衣装かも、なドレスがいっぱい吊り下がってた。同時開催中の展示品なのか公演のために用意したのかわからないけど。そのフラットなスペースの角部分が舞台。二方向にイスが並ぶ。それもまた型がバラバラのやや古風なもの。

ドリンクバーの男子がちょっとイケメンだった。今風じゃないアーモンドナッツアイが魅力的な。

例によって黒沢美香は、踊ってるんだか、探ってるんだか、じゃれてるんだかな動き。カバーバージョンの「銀座カンカン娘」「買い物ブギ」「東京ドドンパ娘」「夜と朝のあいだに」(←これは美川姐さんご本人)が流れて、微妙にあざといんだか、不思議と成り立ってるんだか、その間(あわい)。もちろん、何がかかっても、基本的にはワレ関セズな黒沢美香。

それと平行して、首くくり栲象のよる、まさに首吊りアクションがゆっくりと進行する。うーん、ま、これはあってもなかってもって気もするし、黒沢美香単独より何か緊張感のスパイスが降りかけられてたって気も。

終わり近くに窓のシャッターを開けて、外の街路灯のナトリウム色の光が窓に映る前で踊る黒沢美香は、単純に美しかったです。満足。

車内呑み経由、ニチョ路上呑みに突入。土曜とあってものすごい人出。エスムラルダ様ほかが何度も通りかかったのは、アドヴォケイツの4周年イベントだったからね。



■6月25日(金) 「YES〜オノ・ヨーコ展」「日本の美術、世界の美術…この50年の歩み」

ゆっくり起きて雨間にコインランドリー。午後D社ガイド本韓国納品。来月末からのソウル編改訂もお話をいただく。ありがたや。

「YES〜オノ・ヨーコ展」@東京都現代美術館を観る。以前は東西線の木場からだだっぴろい公園をスタスタ歩くって印象だったけど、半蔵門線清澄白河からだと近いのね。

会期終わり近かったからか、平日でもけっこう混んでいて、それでやや萎え。彼女がパフォーマンスで使ったオブジェなんかも多い。それに文字を使った作品もあるので、コンセプト解説やらを読まないと、「?」な印象。みなさん作品を観る以上に説明を熟読されてましたけどねー。だから、問答不要でガーンと響いてくるってのはあまりなかったかな。

観客が順順にオノ・ヨーコの服を切っていくパフォーマンス映像は興味深かった。とっても60年代だったわー。それと、屏風状の小さな折りたたみ本に、抽象的な墨絵をほどこした初期作品が、キレイだった。

で、まー、ついでだからと、常設展「日本の美術、世界の美術…この50年の歩み」も観る。

やー、これがツボでしたわ。人少なかったし、ヘーンな作品が、といってもすごい新しいものじゃなくてね、があちこちにあって、おもしろがって視歩きました。ただただ油絵の具が激しい色彩でこってりもりもり迸ってるだけの、今井俊満「鯉のぼり」だとかね。

今日のベストは宮島達男「それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く」でした。

「赤い光を放ちながら点滅する無数のデジタルカウンター。その数字はさまざまな速度で1から9までを数えたのち、0のかわりに闇が表示され、また1から数えはじめる」(解説カードより)。

薄暗いガランとした展示室に、淡々と明滅が続いている。ボケーっと眺めていると、炎のように視えてくる。美しさと残酷さと冷たさと温さがきわめてデジタルに交錯する印象。僕はこれまでこの手のデジタルアートって毛嫌いしてたフシがあるんだけど、イメージ改められました。少なくともこの作品はとっても素敵に思う。

いったん部屋に戻って、夜中野へ。映画祭つながり、いつもフライングステージを観てくれる松くんと飲酒活動。給料日の金曜とあってさくら水産はいっぱいで、樽やへ。

ずっと前から知り合いではあるけれど、いつも終演後のわちゃわちゃした劇場で顔を合わせるだけだった。今夜はじっくり、それこそ、出身はどこだっけ?みたいな話まで。芝居やダンスの真摯な感想も改めて聞かせてもらって、かなり幸福度アップ。それにしても15も年下だなんて鳴呼…。

元割烹・魚民に流れる頃には既に記憶障害。別れてのち気が付くと、またしても早稲田通りの植え込みでへばってました。



■6月24日(木) なんじゃこりゃ!

目覚めると、なんじゃこりゃ!と力なく笑うくらいに座骨神経痛が痛い。左臀部から太腿にかけて。これまでで最悪な状況。ストレッチしたり横になったりカイロ貼りまくったりとだましだましで校正。D社ガイド本韓国。インデックスと目次ですべて終了。やっと、ようやっと。打上げ気分と痛みを忘れるため(と正当化して)、早々とプルトップをあげた。

ずっと忙しくて、もらったまま積んでいたバウンズ4月を今頃読む。ジョージ・マイケルの特集記事にフムフム。



■6月23日(水) 『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

朝1時間ほど校正して本日分の労働終了。午前中に清澄白河→九段下と納品行。素敵な達成感。午後ティップネス中野。筋トレと水中活動。新宿へ。ビームスでノースリーブ2枚衝動買い。サイズがあったときに買っとけモード。

三上博史主演『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ 新宿ナイツ』@新宿・厚生年金会館を観る。

映画はDVDで観て、ふーんそれで?な感想だったのね。1999年3月にニューヨークへ行ったとき実は上演していて、タイトルから何となくチェキしていたのだけど見逃していて。で、まあ、とりあえず見届けましょうと追加公演を取った。

お初の厚生年金会館。2階席に着いた瞬間、舞台の遠さにしばし絶句。それでも4列目だからまだ近いんだけど、急傾斜な2階の後ろのほうだと、オペラグラス必携だね。パルコ劇場との違いを口にするリピーター女子に囲まれて、やや違和感ふつふつ。人気歌手のコンサートに紛れ込んだような気分。

基本的にはヘドウィグのコンサート中にライフヒストリーを語るってスタイル。事実上三上博史の一人芝居。マーガレットと篠井英介さんのハイブリットみたいな(ってどんなんや?)オネエトークは、地だか学習だか知らんが、そこそこ。だけど微妙に客の反応を待ってる間がもどかしい。

あとねー、歌詞がさ、バンドの伴奏ガンガンガンなナンバーだと、聞き取れないのね。歌に至る衝動みたいなものはちゃんと伝わるからいいっちゃあいいんだけど、いちおう《ミュージカル》だからなぁと思ったり。耳を澄ますというより言葉として拾い上げる耳を使わなきゃならないのは、ややしんどかった。

おまけに、単純に舞台が遠くて三上博史ドラァグぶりも視えなくて。数十cmの違いだけど乗り出して目を凝らして観てたんで、終わるとグッタリでしたわ。

考えたら、厚生年金サイズのハコ用にメイクだって衣装だってやりようがありそうなもんだけどねー。

それでも、語り部分の芝居はけっこう好きだったな。ルーにイギーにボウイに聞き惚れ、うるさいからと台所のオーブンに頭を突っで唄ってた、って少年時代のエピソードだとか。

あー、ラストは一瞬脱ぎもありましたな。あれは彼女を裏切ったロックスター・トミーってことでもあるんだろうけど。ただし、光の中を一瞬パンツ一枚で通って後は顔のみのピンスポ。

映画よりは断然おもしろかったね。エピソードを映像で視せられるより、舞台で語られるほうが。三上博史も2時間ずっと歌いしゃべりっぱなしでそのエネルギーたるやすごいなと。その一方でハコが大き過ぎた感も強い。パルコ劇場でギリだろ。

当然のようにニチョ路上呑み突入。Mさんが寄ってくれた。ある意味とても堅気な彼が、パラダイスボールや淫獣集会にまで足を運んで“片割れを探す努力”をしているのに、頭が下がる。



■6月22日(火) 人に触れられる/触れる

朝一でカイロプラクティック。足の長さの差はほぼなくなっていた。痛みは一時より楽になったものの消えてはいない。例によってまた背骨、骨盤を調整してもらう。痛気持ちよさをかみしめて、つい考え事をしてしまう。「人に触れられる/触れる」ことだとかを。詳細は自粛ぅぅ。仙骨あたりが詰ってるのを、押された痛みでうっすら実感する。

職安通りのタワーマンション1階にあるマルショウに寄る。ああ、東中野サミットなんぞよりお廉いわぁ。主婦な興奮に襲われるも、買い過ぎが一番の無駄遣いなので眺めるだけにしておく。

午後、S社ガイド本東北校正。地図がらみが抜けまくりだった。台風一過な暑さでグロッキー&汗くっせぇ自分。夜D社ガイド本台北がらみの受け渡し@落合駅

銭湯への道すがら坂を下ると、真っ赤な三日月がぶら下がっていた。



■6月21日(月) 台風6号

午前中ノビてました。情けねーなー。午後S社ガイド本東北校正。雨もひと休みになった頃ゆ〜ザ中井へ。



■6月20日(日) 村田活彦さんのリーディング

S社ガイド本東北が届いて午前中手がける。午後新宿徘徊。ダブルスタンプセールに気をよくして、オッシュマンズでメレルのサンダルなんぞ買っちまう。悪場所経由大久保駅駅前呑み、ホーム呑み。グイグイ流れていく雲と、動かない爪の先みたいな月と。

村田活彦さんのリーディングソロライブ@西荻窪ハートランドを観る。

店内が広々客席になっていてこんな使い方は初めてみた。始まるまで小森岳史さんと外でビールを呑んでいたら、北尾トロさんが通りがかって素敵なバッタリ。西荻だからってそんな簡単に、って感じ。愛娘・凛ちゃんのことなど少しお話する。

僕らの知らない一般のお客さんもたくさん入ってて盛況。顔見知りともいろいろ会えて嬉や。たんたんと最小限のしゃべりで読み継いでいく村田くんがいい感じだった。途中ゲスト参加のジュテーム北村とのかけあい?リーディングが、息も合っててよかったな。

スタッフやってた愛しのカワグチタケシさんとハグハグハグ。追加ビールを注入後、居酒屋・加賀廣での打上げへ合流。その頃には案の定ヘベレケでした。あー、東中野でちゃんと降りれたのは奇跡的。



■6月19日(土) 近藤良平黒田育世『私の恋人』

D社ガイド本韓国校正手持ち分終了。これでやっと「なに持ってない」状態にまでたどり着いた。ああ長かったぜい。だけど明日S社からブツが届くのだ。

昼間、ティップネス中野。筋トレ、アクアウォーク。空いていたので恐る恐る泳いでもみる。つらなかった。いい気になってドルフィンキックも、たらたらと。息継ぎできずのバタフライ、どうにか体が覚えていた。

ユニクロに寄る。土日限定セール中のノースリーブとショートパンツを買う。東中野で食料調達。通販で頼んでいたこれまたノースリーブが届く。カタログのサイズ表とにらめっこし、商品写真の比率から身幅を算出したりして頼んだもの。生地がちゃっちいもののサイズ的にはベストだった。ユニクロのも790円なら文句なしの着心地。無地でもワッフル素材だからかっこはつくしな。

神楽坂へ。近頃マイブームなカレー南蛮うどん@小諸そばを食べる。

リンゴ企画 近藤良平黒田育世『私の恋人〜暇さえあれば体当たり〜』@神楽坂セッションハウスを観る。

「500円+あなたが育てるダンスの値段」って企画なんで、予約なしでもOKでしょと油断したらば、とんでもなかった。このメンツだもんね。開演ギリギリまで待機後、なんとか入場でけた。ホッ。

「ベンハーって映画知ってる? 長い映画よ…」。あやふやながらたぶん夏木マリによる、語りだか朗読だかではじまった。「男と女」というベタなシチュエーションが「物語っぽく進んで」(当日パンフより)いくダンス。しかもライブな緊張と弛緩がないまぜになってて、禿しく好き。

夏木マリの「二の腕」って曲(公式サイトの〈唄う)でこれでもかというほど聴けます)で、良平さんが踊るシーン。白いTシャツと穴開きジーンズ姿。例によって歌詞の当て振りもコンパスジャーンプも込み込みでね。「ブァカなブァカなブァカな男」ってサビじゃ壁にもたれて、のたくっちゃうあたり、もうシビレそうだったです。

前半の黒田はやや思い詰め&錯乱系。ベニヤ板にはじまってスイカまで頭突きで割ってみせたり、血糊垂らしてみたり。体当たりな動きは彼女ならではな色に視えたけど、全体的にはまだしっくりきてない風にも感じられた。けどでもそれも、良平さんとの対比でおもしろいのだわ。

休憩で1ドリンクサービス。お客さんが多くて、僕ら当日組は奥の方だったもんでなかなか回ってこない。隣の関西弁な女性が居酒屋での注文よろしく「じゃ、ビールの人、手ぇあげてー」みたいに言ってくれて、なんだかなごみムード。黒田の着替え時間をチャランゴ伴奏のてけとーな歌でつなぐ良平さんがまたいい味でね。

後半は、曲忘れちゃったけど、脳天気なムードで始まった。両手をつないで二人でグルグル回るラブラブな振りが何度もあるんだけど、良平さんが仕込みでグラサンをかけたのか、黒田が素でウケてて笑って踊ってるのさ。でもそれが、すげーくいいの。素敵なの。楽しそうなの。

終わり近く。黒田が順順に服を脱いでシューズを脱いでソックスを脱いで、ブラジャーと下着だけになって、さ、良平さんの横に来る。けど、いっきなり死んだように動かない良平さん。取り残されて踊る黒田。とはいえ、さっき割ったスイカの赤い実を良平さんの服をめくって腹筋にのせて、その上に腹ばいになってみせたりと、どこかヘ〜ンなまま。と、今度は黒田が死んだように動かなくなって、良平さんがあれやこれや動いたり。

ほぼエンディングな、サラ・ボーンの「ララバイ・オブ・バードランド」もよかったな。たぶん良平さん振りでスンスンと踊る二人。愛しかった。

僕の苦手な“ありがち男女モノ”のベタつきはなくって、だけどキッチリ“ありがち男女モノ”が、スコンと提示されたっていうのかしら? あー、そんなんどーでもいいわ。とにかくとても楽しめた《ライブ》だったです。

あと、確信したね。やっぱり良平さんさえいれば、自分はおかず一切不要だわって。何のおかずはさておき(笑)。この企画、近藤良平を現場監督に、トリオ、カルテットで続くそう。コンドルズじゃ箱でかいし良平さんあまり登場しないから、期待高まりまくりだわん。

案の定ご一緒だった、乗越たかおさん&一二三さんにもご挨拶して劇場を辞する。

とっても路上呑みしたい精神高揚状態。でも神楽坂からわざわざニチョに流れるのもなんなので、今宵は大人しく新宿区四畳半にて宅飲。



■6月18日(金) 金森穣 Noism04『SHIKAKU』

とっても「夏休み」な空模様。コインランドリーの間、妙正寺川沿いの落合公園をフラフラ。午後D社ガイド本韓国校正。

金森穣 Noism04『SHIKAKU』@新宿パークタワーホールを観る。

開場前に着いたのでコンランショップを一瞬徘徊。タダシさんにバッタリ。最近タックスノットにとんと顔出さなくなってる彼、何年ぶりかしら?

演出の都合上立ち見とは知っていたけれど、「場内を自由に歩き回って観ていただきます」とのアナウンスが。ウーム。開演ギリギリまでロビーで待機。

ラコーナとバッタリ。ママ・クララさんも。APEの楠原竜也くんも声をかけてくれた。ちょっとお話する。しっかりライトブルーのタンクトップbyプーマ姿で、もう眩しったらありゃしない(ばか)。

「それでは皆様を会場にご案内します」ってネズミーリゾートのアトラクションばりに開場、そして開演。

内部は発泡スチロール板を組み合わせた壁が、ほぼ田の字型に配置されている。戸惑いながら歩く客たち。と、まず金森穣がひとり踊り抜けていく。一瞬だけ「交わり」状態で絡まれて、心拍数急上昇。

それから、カンパニーのダンサーたちがぞろぞろ登場して同時多発ダンスが始まる。どこか人間っぽくない地球外生命のイメージ。白塗りっぽいメイク。一同髪はブリーチ、男子は一部エクステンション。衣装も肌色で背中腕露出。女子は丸刈り多し。とにかく性差が消されてる。

で、彼ら彼女らが過ぎていったかと思うとやおら組んで踊りだす。客が数十cm横にいても、ある意味関係なく。それがあちらこちら予測できない流れで展開する。

しばらく視てると客の反応がいろいろでそれもおもしろかった。

なんとなくダンスが始まるとずるずる移動していく人が一番多い。これは当然ね。あるポイントを決めてじっと動かず、そこにたまさか現れたシーンを視ている人も。これも全貌を見届けることが不可能な以上、ありだと思う。ごく一部女性はお気に入りの男性ダンサーをひたすら追っかけてました。ま、これもありよね。リピーターかも? あとは、いくつか用意されていた最外側のイスに早々と座ってしまった人。やや、放棄系? 目の前のスペースで踊るときなら、客の頭越しには視えるからね。

僕はといえば、のろのろ移動する人混みが苦手だったので、田の字の壁の外側通路をさくさく移って、わりと壁のすきま・あいまから視てました。二方壁を背にした角部分内側で踊っていることが多いので、壁越しだと背後だけどすーぐ間近に視られて。そのふだんありえない距離感に興奮。のぞき見的な要素も込み込みでね。

振りはすごいわさ。なんつうかぐねぐね&シャープっていうの? バレエしっかりできてそのうえで、うねるようなアンフォルムな動きが、ときにはユニゾンで繰り広げられるの。とにかく自在って言葉がピッタリ。それでいてまったく脱意味されてるわけじゃなく、紙片を手渡していったり、唯一ある具体物郵便受けが運ばれていったり、そんなのもありーので、次々と。

正直、すぐ目の前で踊られると、恥知らずにも一緒に動いてみたくなったのは事実だわー。って、踊りだした客はいなかったのかしら?

で、そーろそろ移動して観るのもやや飽きたかな、と思った中盤、暗転あり。と、案の定、その発泡壁は「飛ぶ」。舞台機構に吊上げられてそのまま宙へ。そうするとなーんにもないガランとした空間が現れて、スタッフの誘導で客は四角く囲んで観ることになる。

この流れ自体は、伊藤キムの『ON THE MAP』まんまですねー。

いや、それからのダンスはやっぱ広々使えるだけあって、本領発揮とでもいいましょうか、すばらしかったです。とにかく踊りまくりよ。ときに無印良品の「持ち運びできるあかり」や、Aとか3とか書かれた白いボックスを使って。

確かにどこかSF的に読めば、ある星で秩序・権力ができあがって、でもそれが混乱のすえけっきょくは虚しくなり…、みたいお話もありかもだけど、ぶっちゃけそういう「言葉」なんかはまったくどうでもよくて。

とにかくかっこいいのさ、みんな。男子は、島地保武はじめ長身揃いで、一見スラリと視えるけど腕背中にミシミシッと筋肉がついていて。あるシークエンスですぐ目の前に辻本知彦がボックスに座って一時待機ってことがあって。その汗ばんだ首背中腕あたりに、数十cm後ろから邪(よこしま)視線集中砲火よ。彼、確かバック転もしてたな。なんつうかバレエからヒッポホップまでOK!なノリがまたよくてねー。

けど僕的に一番お気に入りだったのは青木尚哉でした。彼だけ短躯なの。だけどかっこいいの。女子勢と並んでも違和感ない感じ。で、すげえシャープなどこか場慣れた踊りっぷりがまたよくて。尖りぎみの顎の二枚目顔っぷりに、ヤラレましたー。

ふだん眼中にないことが多い女性ダンサーもね、みな鋭い立ち姿で確としてそこに居てとても好感。

「死を書く資格がないのなら、四角い手紙に詩を書いて、君の視覚に送ります。」

パンフレットから抜粋すると、こんなテキストもあって、これはダサカッコイイくらいかなー。けどとにかく、シンプルにかっちょいい踊り姿がわんさと視られて、それでいて構成・演出的にも、まあまあ刺激的で(全面的ではないんだわ)、いんやー、満足でした。秋の新国公演もmustだわ。

アフタートークも見る。ダンサーの素顔がいろんな意味で興味深かった。にしても、もともとバレエ出身者が多いみたいで、追っかけ風女子多めなのが、ちょっとなんだかね。(6/29加筆)

新宿駅南口コンコース立ち呑み3本。



■6月17日(木) ハスラー・アキラ展/サニーサイドウォーカー『シュウマツはネクタイを締めて』

B誌原稿推敲して送信。午後早めにティップネス中野。筋トレ。

代々木で中央線から大江戸線に乗り換える。杉本哲也くんとバッタリ。ひゃー、激しく久しぶり。テレビのドキュメンタリーを独立系で撮っている彼。首に巻いたタオルの現場感がめちゃいい味。近々呑もうと約して別れる。

ハスラー・アキラ展@六本木・オオタファインアートを観る。

写真2点。海辺で「RAIN」と書かれた白い旗を振る水兵服?姿のアキラくん。その旗の実物。ビデオ作品1点。メロディーをかえ歌詞がローマ字で流れる「KIMIGAYA」と、たぶん二丁目の道端の緑や鉢植えを映した映像。すこんとしたイメージ。ある小さな決意表明な雰囲気も漂う。あるいは女装ぢゃなく助走な気もした。次ジャンプに期待!

芋洗坂を下り切った角にあるベーグルショップ212、東京ランダムウォークストライプハウス店、徘徊。新宿に移動。松屋でビビン丼。三丁目スターバックスでひと休み。背後のガラス窓を叩く音がして振り返ると、フライングステージの早瀬くんと桜さんが外席に。どもー!

サニーサイドウォーカー『シュウマツはネクタイを締めて』@新宿シアターブラッツを観る。森川佳紀くんが出演している。

本田唯一さんと客席で合流。僕的にもほどよきポジションだったのでお隣に。

末期癌で余命いくばくもない男とその妻。そこに預言者もどきのホームレスが絡んで…みたいなお話。男の入院中に家に上がり込んでたホームレス役が森川くんで、その謎の登場あたり、微妙におもしろがってやりちぎってる感が微笑ましくて。

他のキャスト勢もね、個性的でそれなりに楽しめましたわん。特に、嗅覚まで刺激されちゃうような大阪弁ガンガンの、主人公の母を演じた女優さんとか。

ただ、なんだろうね、芝居自体は、ウームな感想。話の軸がやや振れてたようにも視えたし、末期癌患者やホームレスの《物語》が、あくまで《劇場のリアル》の枠内でね、成り立ってないようにも思えたのでした。ややもったいないかな、って。
 
とはいえ、森川くんの哀愁ただよう素敵なアコーディオン・ソロ、なんてのも拝見できたし、オッケーでした。(6/22加筆)

終演後、観に来ていた羽田謙治さんとご挨拶。キャップがさりげなくMOMAクイーンズで素敵。ニチョ路上呑み突入。ハスラー・アキラくんが通りかかって、今日観た感想などちょっこっと話す。

タックスノットに顔を出す。見事に濃ゆいメンツ勢揃いで何だか嬉しくなる。青山さんと熱いトーク。で、このあたりで記憶障害。なんだか、東中野でも路上呑みしてたみたい…。朝食べるつもりだったベーグルを夜中にモゴモゴと。わりとニューヨークの味がしたような…。



■6月16日(水) 上杉貢代『マダムメランコリア

B誌原稿書き。例によって締切前日に取りかかる。ときに畳の上をぐるぐる歩きながらも、なんとか形に仕上げる。ふう。

上杉貢代 舞踏ソロ秘儀『マダムメランコリア 其の三』@神楽坂ディプラッツを観る。

小屋のすぐ斜め向かいにam/pmがいきなりできててビッツラ。ひと月前にはなかったのにー。前からあった酒屋が改装したと思われ。受付のホリエさんにご挨拶。

アコーディオンの演奏がひとしきり。やがて上杉が目隠しでお付きに連れられてゆっくり登場。ピリリと緊張感。暗いなかで服を脱がされハイヒールを脱がされブラジャーを脱がされ。よもや、と思っていたらゆっくり雲マシーンの照明が通過すると、下着も脱いでて目隠し全裸でしたー。恥毛ハッキリ。立ったままでゆっくりその場で回転。ある意味決意表明のようでもあり、シンプルに何もない状態がスコンと提示された、そんなイメージ。

その後、順々に服を身に着けていくっていう構成自体はすぐ視えちゃったものの、そのシーンシーンに込められた舞踊は、情感と存在の間(あわい)がいい感じだったなー。黒の下着だけで、床に横たわって身を屈める/強ばらせるようなゆっくりした動き。服を着ていきなり手をお手玉でもするようにちゃかちゃかっと動かしながらやや軽快に踊りだす瞬間。そのあたり僕的にドキドキきたわ。

前回観たソロの印象が「論」だったとすれば、今夜のは「情」で、でもそれは情念とかじゃあなくてカランとした「情」で、けどどこか秘められたなにものかは人間の常でちゃあんとあって。たぶんそのあたりの微妙に匙加減が響いてきたのだと思う。

音楽がね、ギターとアコーディオンの生演奏だったの。はじめは?だったけど、だんだんハマってきて。上杉さんの踊りとのバランスで、情感だけに流されず、かといってただゴリゴリした存在論にも陥らず、でした。

終演後、校正会社のUさんにバッタリ。以前送り込まれていた印刷会社などで一緒だった人だ。実はライターもやってるそうで、そういえば前に野田歌舞伎とか観るって言ってたから、ちょっと納得。

今宵はいい気分で相生坂を登ることができました。そうそう、角にあるやや渋な畳の間カフェ(?)、神楽坂カドに一度突入してみたいなー。と挙動不審にのぞいて帰る。



■6月15日(火) 視姦以上のドキリ

D社ガイド本韓国校正12時間。大詰め首都ソウル決戦。

気分転換散歩中に、ニットのノースリーブを着た若い男子とすれ違う。二の腕の透き通りそうな白さだとか肌の張り具合だとか絶妙な細さ加減に、ドキリとしてしまった。視姦以上のドキリ。



■6月14日(月) 流山児★事務所『続・殺人狂時代』

朝一で中央線をひと駅乗って大久保下車。そこから西新宿へ朝の街を歩く。この界隈ってば懐かしめな生活の匂いと、朝からでさえどこかいかがわしい雰囲気がミックスしちゃってる気がする。単なる思い込みかしらね?

カイロプラクティック。ひとつの目安、足の長さの左右差は1、2mmにまで改善されたとのこと。骨盤や背骨の具合もいい方向に向かっているとのこと。そういえば左足の痺れは消えているしな。まだ腰あたりの痛みは残るものの、長期戦の心構え。

高田馬場へ納品行経由そのまま歩いて新宿区四畳半へ戻る。午後、D社ガイド本台北の巻末索引を校正。漢字が画数順で並んでいるので、指で1、2、3、4…とお習字しまくりだった。

下北沢へ行くのは久しぶりだ。最近は準急が増えてるみたいで夕方でもギュウ詰めに乗らなくても済むのが助かる。箱根そばで肉うどん。甘めのツユがそれはそれで好き。ノースリーブ、タンクトップ、短パンくん視姦し放題の通りを、切れた電球を買いに100均ショップへ。

流山児★事務所『続・殺人狂時代』@下北沢・本多劇場を観る。

中央の通路まで張り出しになった舞台。まさにリング。本来の舞台上下(かみしも)にも客席が。なんだか本多劇場スズナリになったようなイメージ。てかあれだわ、去年の『ハイ・ライフ』のイメージもやや。

ぶっちゃけ、流山児さんヤリたい放題のバトルショウって芝居でしたわ。「人を殺してみませんか」の新聞広告で集められた男たちが、戦争委員会の指揮でテロに走るがその思惑の先に実は…なお話。うーん、ちょっとマンガじゃん、みたいな。

そのマンガさかげんを、身を挺したパロディで突き抜けちゃってたのが、塩野谷さんでした。なでつけ横分け髪チョビ髭でもうかの独裁者まんまな出で立ちなのさ。もちろん軍服姿よ。それで天皇暗殺まで叫んじゃうし内ゲバみたく殺しちゃうし。ある意味、ここまでやってくれればいっそすがすがしい、って感じ。

一劇後輩にあたる、密かにファンな里美和彦くんがジャーナリスト役でなんとなく話の軸。冒頭で撃たれてずっと血だら真っ赤なのがまたセクシーでね。あ、彼を抱えて岡村大和が地下基地に戻ってくるあたりは、とても『レザボア』してました(笑)。

あとですねー、なんでかテロ決行前日に、いっせいにシャワーを浴びるシーンがあって、わざわざ本多の天井から水降らせて一同すっ裸になるのよ。無駄に脱ぎましたー系やね。奥だし一瞬なのでチェックしきれなかったのだけど、線が細いと思ってた里美くんが、意外と背中あたりが逞しくてドキリとしたわ。

作品としては首傾げちゃうな。観世榮夫で話の辻褄を合わせ感もあるし。けど、ドタバタする男たちを視るのはやっぱり好きでした。(6/22加筆)

車内呑み1本、新宿駅南口コンコース呑み3本、四畳半呑み2本。さすがにベロンベロン。



■6月13日(日) 現実逃避的消費活動案

D社ガイド本韓国校正13時間。

午後、気分転換にご町内を散歩、てかデタラメに一筆書きで歩いただけね。ここいらほんまに道も建物もごちゃごちゃしてる。改めて実感。それでもこの季節は特に、住人が丹精した小さな緑であふれていて、瑞々しい。

台北衝動旅行とか、周遊券で北海道とか、夜行バスで大阪へとか、通販でドカンと買い物だとか、ウリ専ご利用初体験とか、現実逃避的消費活動案がいくつも浮かんでは消えしながら、ビール3本。



■6月12日(土) 地下鉄で居眠りする顔の視えない男子の

D社ガイド本韓国ガツガツ校正。わりと大股歩きで。夜ティップネス中野。筋トレ、アクアウォーキング。中野駅北口路上呑み。

地下鉄で居眠りする顔の視えない男子の腿内にだらり伸びた右腕のやや赤く灼けた滑らかな皮膚と青太い静脈と体格のわりに太い前腕としなやかに長い五指と。



■6月11日(金) 近藤良平×扇菊『真夏の忠臣蔵

5時起き。B社通販ウエブ校正。午前中でけりをつける。「蹴り」って気分だ。

J-WAVEで何げに耳にしたケビン・リトル。薄黒っぽくツルツルッと歌う高めの声がプチツボ。

合間、降り出す前にとコインランドリーへ。よく通る家の玄関先にまだにちびっこい柴犬がいた。初めて遭遇。ちょっと弱っちくてそれがなんだかかわいくて。子供時代のテレビドラマに出ていたアバラーのことを思い出した。

午後、神保町納品行→サミット東中野で食料調達。夕方D社ガイド本校正韓国。

近藤良平×扇菊『真夏の忠臣蔵〜討入の段』@神楽坂セッションハウスを観る。

トイレでご出演の今津雅晴さんと既にしてバッタリしてしまう。客席は今までみたことないくらい桟敷席が舞台スペースを侵食していた。プレビューですとの“お断り”があってから開演。

いっきなり冒頭から褌一丁の男二人。今津さんと丸山武彦。えええっ! そーゆー系統だったの?と軽い動揺。低めのリフト、フロアなど。互いに血?らしきものを塗りつけ合ったり。それを客入れからダラリと下がっていた白い布にもつけたり。契り系なシーン? だけどその血らしきってブツ的にはしょぼい。んんん?

って思ってると次は上半身裸の近藤良平が。佇まい系で一瞬。ああぁん!

と、じきに非コンドルズメンバーなアンサンブル5人が登場。女性1名以外、彼らも上半身裸。一世風靡風味調味料っつーか「カッ!」と飛び上がってあるポーズにいって静止、どこか和な手振り、てな具合でドカドカ踊る。微妙に物語を説明しているややお廉いテイストが、おかしいうえに、大河ドラマのテーマ曲のような大仰な音楽が怒涛に流れて、正直吹き出しそうになった。

それからは、物語を暗示するようなしないようなシーンが続く。おそらく忠臣蔵のエピソードを元に構成されているんだろうけど、まるで知らないので、目の前の踊りを視る。もちろんそれだけで充分快感。

コンドルズ調コント系だったり、フロア、ジャーンプ満載のガッツンガッツン男子舞踊だったり、ド日舞な濃いてろてろ舞いだったり。ちなみに、これが扇菊だったもよう。

にしても、男はみな無駄に肌露出なのさ。さすがに褌は最初だけだったけど、上半身裸か、羽織っても前をはだけた着物一枚。ま、全員スジ筋とはいえせんがぁ。アンサンブルの一人に凛々しいお顔+骨格そのものからの逆三ってのがいて、しっかり邪(よこしま)視線を注ぐ。

途中、白黒映画でのろのろした切腹シーンを背景に、良平さんが踊った。尺八吹きと鼓+謡い手(っていうの?)が上下に登場して。じっくーりした動き。それでも、彼得意の超速動きじゃなくても、鋭利なイメージふつふつと滲んできて、流石だった。きっと良平さんは忠臣蔵でいうナンチャラの守とかドータラの介の役なんだろうけど。

このプロジェクト、以前から知っていたけれど機会がなくて。シアターXとかでやるよりは、セッションのほうが食指だな。裸への期待は措いといて(笑)、次回もちょっと要チェキかも。



■6月10日(木) Could It Be I'm Falling In Love

5時起き。昨日の悲愴感は雲散霧消してて「ちゃっちゃかやろうぜ」気分。B社通販ウエブ、D社ガイド本韓国をいったりきたりで校正。昼飯は冷蔵庫の残り野菜とにかく大集結で謎のスープ作成。夕方さすがに脳から白煙で本日閉店を決め込む。

佐成くんからバイトの話が舞い込んだ。展示会用ビデオのダンスシーンで振付は彼。リハ1回撮影3時間で2万円。即OK。

夕方、編プロ@高田馬場へ納品行。前方のコンビニ前で手を振る女性がいるなと思ったら、流山児★事務所のヒロコこと伊藤弘子だった。バッタリ。このずっと先にある稽古場に向かう途中だとか。同方向だったので少し一緒に歩きながら世間話。

ティップネス中野。筋トレ。同じ時間帯に入った黄色いタンクトップの黒デブと、マシンがいちいちバッティングして、お互い終わるのを待つ状態に。むちゃうっとうしい。もっとも向こうも「ウザい白ヤセのオカマ」と思ってたことだろうが。

アクアウォーク。右足の裏からふくらはぎにかけてが、じょじょに攣りモードになってきたので、ほどよきで切り上げる。中野駅北口で路上呑み。小野@10チャン熟視。バイオポケットのCFで流れてる曲のオリジナルは誰だっけ、とずーっと気になっていた。ネットで解決、スピナーズでした。なーるー。



■6月9日(水) 69の日、かしら?

呪詛を唱えながら校正。あと10日近くはこんならしい。……。座骨神経痛やや不調。早めに浴びた銭湯でサル顔坊主クン視姦。お腹まわりのややだらしなさと胸毛がかえって天然ってかんじ(ふめい)。ウエブ校正のための画面プリントアウトちまちま。ビール呑みながら対インド戦観戦しながら。みんなええ男やなあ。



■6月8日(火) エクスパック

朝ぼらけからプルトップを着実に上げ続けた一日。ふう。中山昇と電話で話した。仕事の電話もそういえばかかってきたな。郵政公社エクスパック初めて使った。500円なら案外便利だわ。



■6月7日(月) 新宿徘徊

ゆっくりめに起きてあいかわらず校正労働。夕方納品ツアー。高田馬場→九段下。地下鉄を乗り継ぎにしてそのまま永田町→赤坂見附→新宿。190円で済んだ。

ティップネス新宿のプールとてんびんのすえ、ABC突入。謎の東京地下空間本とか立ち読み。バロウズの『ソフトマシーン』が河出から文庫化されてるのにはビックリ。リチャード・ヘルの自伝にも萌え。迷いなくゲットはアメリカン・ブックジャム10号。やっとこさだね。オッシュマンズも巡回。もろアーモンドナッツアイの坊主頭スタッフくんと目がバシッと合ってしまい、それはそれは恥ずかしいくらいにドキドキ。にしてもむっちゃええ男やったな。

ニチョ路上呑み。まだ8時だし月曜だしで、まあ、閑散。カンサン。ビルの合間から見える雲がびゅんびゅん流れていた。ほんと、今日ってば、降ったり晴れたりで忙しなかったよね。2本消費。

タックスノットへ。青山さんママのマンデー。入るとシュンタ相手に演劇激論の真っ最中でしたー。その後もふむふむふむでして。しばらくぶりに会話機能を駆使しましたデス。ビデオはBSのトニー賞中継だったりで、素敵に演劇バーな風情を堪能。にしてもL.L.クールJ.がプレゼンテーターで登場するなんて。

新宿駅東口コンコースで、久しぶりに立ち呑み。ここ、ほんまおもしろいんだよ。一定方向に歩く人の群れ、その中にものすごくいろんな人がいて…ってあたりで、ある種僕的には劇場じゃ観られない「作品」な気すらする。とある場所にただ「立ち止まる」ことで、視えてくるものって、すんげくあるんですよー。

銭湯挫折。うーん。



■6月6日(日) 364バイト

校正労働。D社ガイド本台北ティップネス中野。妙にそそられたオカマエアロ明けのはなわ似くん。筋トレ。アクアウォーク。ジャクージ。サウナ。その昔映画祭ボランティアで一緒だったKくんとバッタリ2度目。無印良品。シャーペンとシャーペンの芯とレトルトスープ類調達。ユニクロ。案の定ややよさげなのは在庫切れSサイズ。中野駅北口雨避けて自販機脇立ち呑み3本。「ヨーロッパ・ピクニック計画」熟視。



■6月5日(土) 吐夢晴天校正義家

早朝、あぁ夢を見てるなぁってわかる夢をえんえんとリアルに。大阪駅では俳優友達の中山昇に道を教えてもらった。佐成ダンスで一緒だったキャサリンは工事現場の誘導員に英語で道を聞いていた。関根さんと前川麻子とは三人芝居の稽古をした。ちっとも進まず紛糾。その稽古場に行こうとして違う駅で降りてしまった。右往左往してのぞいたトンカツ屋に流山児★事務所の若杉さんがいた。そんな。軽く頭痛をともなった目覚め。

僕ですらあてもなくplay in the sunshineしたくなる晴れ。梅雨入りのカウントダウンが遠くでなってるせいもあるんだろう。

D社ガイド本台北、韓国12時間校正。「キョウザ」「ブティク」にやや脱力。

ETV特集ヤンキー先生ルポをなんとなく。「即物的な意味で」改めて視るとルックスいけてるやん、って。顎が尖ってて髪はサラサラ系だし、なんといっても白黒はっきりしたやや大きめの目が絶妙によろしくてね。それを細めて顔しわくちゃにして笑うのもええわぁ。しかも指はほっそりと長かったし。



■6月4日(金) 12時間

茗荷。旬で安くなってたので今季お初でいただく。好物ランキングかなり上位かもしれない。納豆に混ぜたり味噌汁の具にしたり。

笹身。いつもは塊のままグラグラ茹でてほぐして食べていた。今日はそぎ切りにしてさっと湯に通してみた。柔らかい食感が美味。ひと手間かけると違うんだね。

餃子。もちろん出来合いの。しかも焼きテクが上手くないので水餃子にして食べる。今日は目を離したすきに煮立ってしまって、皮+ひき肉のグジャグジャ状態に。トホホ。

D社ガイド本台北校正12時間。別に期限を切られているわけじゃない。でも、手元に溜まってるのがイヤだ。とにかく進める。韓国もお控えなさってることだし。

それにしても今日もまた心踊る夏の予告編でした。紫外線燦燦ってかんじ。座骨神経痛はやや不調だった。



■6月3日(木) 会話量ほぼゼロ

曇り空なのに5時半頃目が覚める。D社ガイド本台北校正。仕上げてあいさつがてら編プロ@神保町に直接納品。が、担当者不在。ティップネス中野。ゆっくりストレッチ。おそるおそるマシン。アクアウォーク。空いていたのでクロールで泳いでみた。あ、くるぞくるぞ…で右足裏が軽くつる。もう! 中野駅北口で路上呑み。調達先の駅コンビにロング缶発泡酒がなかったので、早々に撤収。拾って読む日経新聞。例の中田上半身裸一面広告より、53歳だかの彫刻家の顔肌しっとり感に白黒印刷ながら驚かされる。最近のビールのお供は韓国海苔。燃えないゴミがガシャガシャいっぱい出るのはヤなんだが。



■6月2日(水) 柔らかい筋肉・柔らかい背中

D社ガイド本韓国校正。合間にコインランドリー。布団カバーも洗う。

プレゼント応募したことをすっかり忘れていたカフェグローブから文庫本が届く。「生にゅー! 生でリアルなニューヨーク通信/黒部エリ」。ま、タダなら斜め読みしてもいっかなーな一冊。ってせっかく当たったのに歓び度低いねぇ。

編プロ納品@高田馬場経由新宿へ。カイロプラクティック2回目。先週1cmも長さが違った右足左足が今日は5mm差だったそうな。ひとまず悪くはなってないみたい。また例によって押されて叩かれてイタ気持ちいい。特に首あたり。けどそれはどっちにせよ筋肉が凝り固まってる証拠らしいのだ。柔らかい筋肉・柔らかい背中に、ね、なりたいね。



■6月1日(火) she doesn't fit her body

台北から光州へ飛んで、本日はD社ガイド本韓国校正。

雨音を耳にすると『幻想ウィルス』の日舞もどきシーンの体になってくる。音のきっかけがそうだったからなのだけどね。

夕方ティップネス中野へ。出かける前何度も何度も逡巡したやさしいバレエは結局パスした。座骨神経痛のこの微妙な後ろ向き感ってなんだかなー。筋トレ、アクアゾーンで水中歩行、サウナ、ジャクージ。大事をとって何もしないでいるほうがいい気もする一方で、体を動かさないとジワジワなまっていく強迫観念に襲われる。このshe doesn't fit her body な状況、ヤだよー。

5月から中野住民な松くんとお互い水着姿でバッタリ! ややドキドキしながらジャクージで話し込む。会話不足の大脳にはとぉってもいい刺激に。あ、視神経にもだったりして?(笑)

スターバックスで豆買い出し経由、中野駅北口で路上呑み。駅出口ってノンケイケメン視姦は当然として、待ち合わせ男女の微妙な人間関係だとかも傍観できておもしろいのよねー。