ますだいっこうのあと@ベルリン

在ベルリン/俳優・ゲイ/演劇コーヒー映画アート読書都市旅ドイツ語/ikko119[あっとまーく]gmail.com

3軒茶屋婦人会『女中たち』

ikkomasuda2006-02-23


テープ起こし作業淡々と。夕方下北沢へ。Zoffでキズだらけのメガネレンズ片側だけ交換。視界クリア。スターバックスでカフェ淫&ダンス特集美術手帖

3軒茶屋婦人会『女中たち』@下北沢本多劇場を観る。婦人会の公演だけあってリアル婦人度高し。女性じゃなく夫人じゃなく《婦人》って感じよ(ややふめい)。

文庫版とか渡辺守章訳をパラ読みしたり、知り合いがかかわっていた大阪での上演を観てグッタリしたこともあったり、『トリック』の劇中では僕がじゃないけど本読みシーンがあったりで、なんとはなしに近しいようで、でもイメージはやっぱり難解な戯曲。外出中の奥様を女中が“演じる”とかの構造みたいなものが頭でよじれちゃうの。

それを、みんごとなエンターテイメント、濃密なサスペンスとして観せてくれて、ブラボーでしたわ。新訳だったせいもあるのかなぁ。なかでも、存在としての過剰さが超イカした深沢敦の奥様にはもうゲタゲタ笑わされちゃいました。「流刑地」って言葉ひとつの極々微量な言い回し感がもはやツボ。ゴージャスなドレスももはやおっかしくて。

女中姉妹・篠井英介さん+大谷亮介の組み合わせは、なんといったらいいか役者としての“妍の競いどころ”がやや違いすぎるというのか、それがおもしろいっちゃあおもしろくもあるのだけれど、戯曲の漠然としたイメージの“合わせ鏡な姉妹”っていう、それこそ構造な側面では、ちと微妙かもと思ったり。

いずれにせよ、観て正解の一本だった。