アメリカ記念図書館経由。Rimini Protokoll『Adolf Hitler: Mein Kampf, Band 1 & 2』@HAU1。東京で観た『資本論』と似たつくり。ドイツでは長らく禁書の、だがナチ時代はいわばベストセラーだったヒトラー『我が闘争』にまつわるエピソードを、例によって当の本人が淡々と語る、が軸。そこへ単語ゲーム・イエス／ノーに分かれるゲーム・ラップ・映像・最終的には半開きで立てた本を背表紙から眺めるようになる書棚的大型可動舞台装置などが、うーんとまぶされたパフォーマンス。配券に諸事情あって追加的に発売された見切れあり急勾配3階席での鑑賞。開演直後はピンマイクで拾った声が誰が誰だか分からんほどの遠目からで、それは、言葉の壁をさておいても、ここんちの演出としてのボソボソ感やプロ俳優からは見られない表情なんかを楽しむには不適切だった。トルコ系出演者Volkan T errorによるドイツという国家自体をorをもチクチクしてるっぽいラップがねまぁ一番ピンときたかな。去年末でその禁書は著作権が切れ、批判的注釈がついた版がドイツ国内で発売された日ってタイミングは絶妙だったかも。
