ますだいっこうのあと@ベルリン

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ポリレアリステン/『光のない。』冒頭ソロ[ベルリン2015]

約ひと月半取り組んだ『光のない。Kein Licht.』冒頭ソロのプレゼン日。結局は自己没にした案の準備:観客にバラバラの戯曲テキストを渡し、最後の台詞きっかけで黙読開始、途中のマーカー部分だけ音読してもらう。ランダムな声の雲が、できるんじゃないかな?できたらどうなるかな?だったけど。ちなみにプレゼン後に今後の案として話してはみた。北はずれの稽古場最寄り駅ひとけないホームベンチで台詞確認。サポーターのザンドラはすでに到着してて、仮舞台を組んだ稽古場部分でえいや!と動き込みで台詞を吐く。hoeren、möchte、frucht、fauchenなど以前から指摘されてた難発音単語はやっぱり疎かになりがちでその再確認。
「ポリレアリステン Die Polyrealisten – offen fuer alle Altersgruppen」@シャウビューネ・Saalmannstrasse稽古場。今の気分を風景に例える&今日のプレゼンに何を期待するか、ウォーミングアップはまず音楽に合わせ自由に動く、トンとペアで相手の真似→4人で→自由な離合集散で、パートナー・ザンドラで目を閉じていろんな触感の旅へ。
年末からきょうを目指してきた念願実現プロジェクトのプレゼン。まず各自自己申告の到達具合で並んで、その不到達側から、というわけで僕にとっては昔のポエトリーリーディングで待ち疲れる的な展開に。パートナー探しのメッセージやり取りを個人的領域含め読み上げたサマンタ、高所苦手解消にバンジージャンプを目標にするも3月で未実行のフレデリックは稽古場の高みでちょっと体験、ノンケながら男と寝ることが目標のシュテファンは、自分内葛藤を用意したビデオとの対話で経過報告←プレゼン的には一番グっときた、唄づくり未遂なクラウディオは相変わらず語り自体がユーモラスでつまびくギターでそれで結講イケテルじゃん的な、ベッティーナの歌とフルートは切なさ配合。そんで僕は〈体の閉じ開きで脳内意志的に二役色づけし終盤はやや素で独語話者対自分な気持ちで。てかアングラだったでせうw蝉の鳴き声とか。暗め照明のなか身じろぎせず見守るメンバーの琥珀色した姿が演じる側から視えて、台詞必死の傍らで感動〉。改めて少し書くと、台詞自体はエルフリーデ・イェリネクサイトArchiv/2011に公開されているものから、それをラジオ朗読劇版に沿って再構成、冒頭のAとB二人の間の「わたし」「あなた」「わたしの」「あなたの」な対話部分10分程度を、中身理解は出版されている林立騎訳『光のない。』を大いに参照して、てな具合でした。戯曲は、東日本大震災福島原発事故をモチーフに、しかし直接的な描写もト書きもほぼない、怒濤のメタファーな言葉たちのまさに津波というもの。ドイツ語母語者にとっても難解なテキストを、もろもろの動機で敢えて選んだのでしたー。僕以降は達成サイド、僕も全裸モデルになったロウソクの光で撮ったチハンギの男性ヌード連作、半透明ビニールシートをいろいろに使って参加者全員をそれぞれの念願モチーフに撮影したサンドラの連作←僕のはこちら、思いがけなくハーフマラソン分21km走れてしまったゾフィの短い一人芝居、などなど。最後に感想やコメントは、それぞれが背中に貼っつけた紙に書いてもらう式で終わり。いろんな意味で忘れられない濃い火曜の稽古でした、そして、あーやれやれだったりもしてw。