ますだいっこうのあと@ベルリン

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Matanicola & the Progressive Wave『Bodieslanguage』[ベルリン2014]

このところのぐずつきからやがて秋晴れで昼ごろには斜め窓から煉瓦壁へ日がさすリヒテンベルク区屋根裏部屋、雑然たる頭のままあれやーらこれやーらスイス旅のことやーらドイツ語のことやーら、夕方久々トラムに乗り3時から12時へ半時計回り、当日券待ちリスト入りし高架下焼きそば劇場窓口前虎視眈々経由無事切符確保。
Matanicola & the Progressive Wave『Bodieslanguage』@バルハウス・オスト。人種、目でははっきりは分からないが聾者話者・性的指向が混ぜこな存在たちによって、舞台前面に張られた薄いスクリーンに投映される映像&文字と音響と一体になり提示されるボディ“スラング”ランゲージ、か。指80本・掌16面・腕16本が意志持つ存在であるかのように一つになり艶かしくしなやかに動き変わる序盤のシーンは印象的だったし、列になり千手観音よろしく、てかヴォーギング?な動きもその腕の個性それぞれ加減が素晴らしかった。手話の場面もありそのもはや所作それ自体がとても美しくそれを語る視線も凝視系ゆえ「(逐語的に)何を言っているのか分からないが、何を言いたいのか分かる」状態、しかもそれが個人的ゲイエピソードだったりもするという重なりっぷりにジワジワとクる。音楽でいうスクラッチのような映像がブレて妙な手の動きをしたりする加工もされたマドンナなどポップスやメディアというか社会規範というかと関連または対比するシーンも興味深かった。そんなこんなでいろんな見方ができる仕掛けを持ちつつな動き映像言葉文字音楽に脳味噌グワグワされる。ときてどちらかといえば小文字の物語寄りだった流れが、ある演説音声&手話&現代史カットアップ映像&圧強め音楽の最終景にきてグワンと離陸し大文字に王手をかける展開も圧巻だった。スピーチは、公演を紹介してくれた華英さんツイートによるとチャップリンの『独裁者』だそう。手話はスクリーン後ろ2人・前1人で行なわれるのだけど、幕前のつまり視界的モヤモヤなしで客席と対峙するのがラテン成分配合っぽくゲイっぽい男性で手話所作の華麗さと目力の強さと、ココニシカナイ感もあいまって超かっちょよく、場面というか最後の最後でこうくるかぁメッセージ性そのものはある意味ヘビーであるにもかかわらずと同時にかっちょえ美しさで魅了されつつ久々にシビレッちゃう鑑賞体験をしたですだ。

bodieSLANGuage Trailer (Made by TanzForum Berlin) from matanicola on Vimeo.