ますだいっこうのあと@ベルリン

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『1/2PAナイッ!?』本番2日目

バナナ東横急行フーデックス、スタバ中華街で結局グランデ分飲み干し早めの劇場入り。静かな時間帯のアイロンがけ粛々と。12時30分集合、いいわねダメ出しとは呼ばず“チェック”。ZEN-LA-ROCKさん曲かけて大騒ぎでウォームアップ!一部シーン追加をやって、あとは自分なりの時間配分で本番準備、持て余すほどの。
TPAM2013『½PAナイッ!?』本番2日目。平日16時開演とあって昨夜より客足・反応ともやや落ち着いていた。演る側的には安心感を持って楽しめた、が本人自覚。終演後は個人的面会もなく、身支度もあっという間、舞台大物バラシを楽屋モニター越しに見守り、さんざん暇した挙げ句、座布団の箱を台車で運ぶのをほんの少しだけアリバイ的に手伝った、というか触りにいった程度。絵に描いたような爽やか好青年の舞台部男子をしっかり視姦、ゲイ術監督のお目にとまって御出世なさるとよろしいですわねえ。邦生くんと現役高校生小見波チャンの進路相談になぜか同席したり、TPAM別企画参加・山崎皓司くんが菓子パン食べる間おしゃべりしたり。
福満園新館にて打ち上げ。純四川・上海料理とあって香辛料防衛隊稼働。エビチリで早くも発汗し麻婆豆腐は視神経からもう嗚呼、チンジャオロースーや餃子が美味かった。というか例によっての打ち上げ苦手ババアは若さ溢れ大人数な諸々諸々をテキトーにいなす。ぶっちゃけ最高齢同志なマックス中山さん、弥生さんと茉莉花茶を注ぎ合っての女子会が最も充実した会話で楽しゅうござんした、それで充分。0時ちょうど発のみなとみらい・東横線で離脱。みんなありがとーおつかれさんねー。
ざっくりどんな公演だったか書く。基本3部構成。第1部は大劇場の真っ赤な客席後方から舞台中央奥へ、ヘッドフォンをつけて役者たちが歩いていく行列パフォーマンス的なシーン。稽古段階ではもっと尺あったけど、時間の都合で客入れ途中から始まることになり結講早足・短縮版になってしまった。それはやや残念。第2部はお客さんに舞台上座布団席へ移動してもらい、いわゆる“芝居”w。言葉を発することのない中学2年生コージくんを取り巻くスピード展開の物語、そこへZEN-LA-ROCKさんのラップライブが乱入し、ゆるいトーク的な時間も織り込まれる。僕はコージくんの家族である祖母タカさんの友人トキさんとして、記号的にヅラ腰まげ老婆演技を個人的におもしろがってた。第3部は舞台奥向きを正面にしてZEN-LA-ROCKさんのミニライブ。という盛りだくさんぶり。
ふと目にした出演者公募に、場所もデカいし人数集めに違いもあるだろうから気楽だろうと、ベルリンから応募したのがそもそもの始まり。『エンジェルス・イン・アメリカ』で杉原邦生くんの演出に興味あったのが一等な理由だし、それは実際参加しても一番手応えがあって、よかった、ウン。いわゆる軽いノリをしっかり担保する真っ直ぐな視座のありようが、まざまざと解ったから。20人超の座組で軸になってくれた、現場では四天王と総称されてる主演4人の引っ張り頑張り力も大きくて拍手。カステルッチ・エキストラからの面識ある大園康司くん、その昔の劇団ひょっとこ乱舞の頃から知っていた伊東沙保さんとご一緒できたのは正直嬉しかった。
とはいえ。〈とはいえ、あの舞台上のほとんどが“0円俳優”ばかりなのを、例えば日本国外のフェスティバルハンターたちは知っているかしら〉〈しかも足まで2本(ないし3本w)自分でつけてますから、お足が出ません、などとツイートしてるとそろそろヤバいですね RT @kigch: @ikkomsd ゼロコストアクト ですね などとシャレてる場合ではないのですが〉
TPAMにおけるこの企画自体の意図するところは当日パンフを読んで理解した。うん心意気やよしよ。だけど僕を含む公募キャストの「0円俳優」扱いが、それは応募に対する返信メールで「出演料・交通費なし」と明記されていたから承知のうえだけど、“国際舞台ミーティング”において、そもそもそういう予算組みの発想って一体どうなんだろう?と、ダークな疑問を抱いたことは書いておきたい。その流れで、これって僕らが20代の頃と変わってないわけで、それを30年近く看過してきた50歳の自分にも一定の責任があるんじゃないか、とすら考えるようになった。原発がじわじわ増設されるのを結果的に見て見ぬふりしてきた世代的責任といわば相似でね。
とはいえまあ、感謝してるわよ。邦生くんに一時だけとはいえおもしろがって起用してもらえたのは、嬉しいことじゃない(続くが以下省略w)。