ますだいっこうのあと@ベルリン

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池田扶美代×ティム・エッチェルス『in pieces』

スターバックス青山一丁目ドイツ語講座B1.2第5回。
池田扶美代×ティム・エッチェルス『in pieces』@神奈川芸術劇場中スタジオ
【メモ書きより】マチコさんこと松田弘子さんと並んで拝見。扶美代さんが下手奥から舞台中央までスタスタ歩いて登場する数秒の、その姿だけで開かれた心と体と対峙できる幸福でいっぺんに満ちる。「one!」とひと言発して踊りだすカットインぶりの鮮やかさかっこよさ持ってきっぷりは絶品。一瞬惚れ。以後順々に発するナンバリングは、年齢や人生?現在現在未来?付番されることでぬるりと《物語》になってしまうことからすり抜けていく。あるいは「Yes!」のありとあらゆるニュアンス、一時帰国中の地震体験をわざと日本語英語ではなくフラマン語で喋るシーン←ちなみにちょっと近しい言語なのでドイツ語脳フル回転。もちろんダンスはキレキレで、すべてを軽やかに飛び石を渡るかのように、正しくその場その時で在る、その姿の素晴らしさ。心から拍手でした。
【当日パンフより】「作品によせて この作品は私が生きている間に何度も考えさせられるであろう『失う』という事に対しての一つの表現手段です。メインのテーマは『記憶』ですが、元は『失う』から来ています。 『9.11』『3.11』の様にまだ皆が覚えている歴史的に大きな記憶も、語る人がいなくなったら、記録になり、もっと時間が経てば、記号になり、その後はすべて塵になっちゃいます。 記憶も想い出も思い出すから記憶と言えるし、想い出にもなります。でも、人間の80%の記憶は無意識な記憶で作られているんですって。 どの作品を作る時も演じる時も私からのメッセージはありません。メッセージはお客さんに何か感じ取って頂くもので、その感じた事は各自各自違うはずです。これはローザスの作品でも全く同じです。 ローザスで30年間仕事をして、作品のメッセージやテーマの説明なんてアンヌ・テレさから受けた事はないです。批評家やお客さんが勝手に色々分析していますが、それで良いと思います。それはこの作品でも同じ事です。私が言葉や動きを発した瞬間、私だけのものではなくなります。」