ますだいっこうのあと@ベルリン

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アンドカンパニー&Co.『道化の霊廟』/リミニ・プロトコル『ブラック・タイ』

『Die Alphabeten』予習。
アンドカンパニー&Co.『道化の霊廟』@神奈川芸術劇場中スタジオ。手作り感漂うオブジェ装置に裸電球のぶっちゃけバカ明かりでの、テキスト断片・銅鑼ラッパ木琴シンバルの可愛らしい演奏などなど等等。ソ連共産主義・革命あたりに引用元があるのは分かりつつも個々のディテールまでは知識が追いつかない距離感。ユルユルほのぼのパフォーマンスは、正直間延び感拭えない立ち上がりから、メンバーそれぞれの個人的社会体験…ドイツだけじゃなくてアメリカ出身・旧ソ連出身とでは子供の頃の“世界”が違ってる…なんかをちまちま語る景へ来て僕的にはひとつスイッチが入り、体温低めなローテクさを一層おもしろがれるようになった。白黒コピーの有名人顔お面の裏に書いてあるカンペ台詞が丸見えに代表される小劇場っぷりもラブ。レノンとレーニンを並べちゃう手口とかもね。ポップだキッチュだキャンプだな読みようもできなくはないだろうし、そう読むなら読むで足りない要素もあるんだろうけど、総体としてこういう《同時代》なのよねと受け止められた。俳優視姦的には、女性だけどシー・シー・ポップとまさかの二股出演だったリーザ・ルカッセンさん。中年ヨーロッパ女性の一筋縄じゃいかなそげなw存在感・少ししゃがれ気味の声にどうにも惹かれた。
アフタートクー。アンデルセンのパン数かけ齧る。
リミニ・プロトコル『ブラック・タイ』@大スタジオ。去年のベルリンに続いて二度目。日本語字幕サマサマでの発見wは主人公が養子ビジネスを明白に批判していた点。まあそれはそうよねー。父母血縁不明の“おひとりさま”究極状態において、いやだからこそなほどの、個として舞台に佇む姿が清々しくかっちょええ。実際の書類・写真・韓国の歴史を語る画像・別例の里子受領!映像・里子実親再会テレビ動画、そして正統に自分探しを盛り上げるギター演奏付きの音楽など、全体の構成・演出は連続企画三本中ピカイチのリミニ的鮮やかさで小気味よかった。どーでもよい話ですが、字幕で「実の母」となってる英語を聞き取った限りで「biological mother」と言ってるのへ、ビアンゲイ業界で「生物学的男子/女子」と言うのを思い出した笑えた。
合間・帰路と柴田さんと熱い語り。渋谷Qフロントスタバカフェ淫。ブックファーストに寄ったら、平積み雑誌の上にショッピングバッグを置く女に逆ギレされてしまった。