ますだいっこうのあと@ベルリン

在ベルリン/俳優・ゲイ/演劇コーヒー映画アート読書都市旅ドイツ語/ikko119[あっとまーく]gmail.com

2004年2月の日記

2004-02-01
ある安息日

S社ガイド本軽井沢校正。昨夜のアルコール分が残ってるせいか妙に鬱。仕事を呪いながらようよう片付ける。クロネコ便集荷時間ギリギリでセーフ。
引き続きD社ガイド本台湾初校最後のページ、台湾時刻表を校正。これが案外楽しかったわ。鉄分配合体質。これを明日仕上げて発送すれば、手元からすべて仕事が消える。ウ嬉ィィ。一瞬なんだけどね。
小林大吾クンのリーディングが聴けるサイト発見。あー、いいなー、クールだなー、ドライだなー。
銭湯。二十歳前後男子団体が、湯上がりぼんやりテレビ中。ちっ、小1時間早ければ、ムフフだったのに(愚)。

2004-02-02
『左腕』発掘?

D社ガイド本台湾の時刻表校正終了。ワイ、片付いたゼ。雨降りだけど心爽快。
昼間からティップネス中野。体成分測定の結果は体脂肪も筋肉量も減少、体脂肪率も下がって13.1%。ウーム、道のり長し。筋トレ、バイク60分、珍しく中野で水泳。
5年前ニューヨークへ行ったときのパンフレット類、それにメモやプリントアウトを参考にと広げてみた。すると、初代マックにだけ入ってて、それがパァになるとともに消えてしまった『左腕』というテキストの、冒頭5行までが印字されてて、驚き。古文書発掘、は大袈裟か。
あした区民健康診断なんですわ。オプションで超音波検査、胃ガン・大腸ガン・肺がん検診もつけました。ここ数日、痰を集めたり(風邪でも引かないと出ないのにむりくり)、お通じをピック状の検査キットで集めたり、準備して。さて、いったい何が出ますやら。
だもんで、飲食いっさい禁止の21時まで、ビールがんがん呑んでましたー。

2004-02-03
区民健康診断/流山児★事務所『ガラスの動物園

区民健康診断に行く。その昔はタダで近所の小学校体育館にて大らかに実施していたのが、今や有料予約制。その分、しっかり調べてくれるみたい。
オプションの超音波検診で脾臓に6.5mmのポリープ発見。ひとまず経過観察とのこと。それ以外は「きれいですね」とお誉めをいただく。ポリープのことより、あの映像でよくそれだけのことがわかるもんだ、感心しきり。
初体験の胃ガン検診。バリウムを呑むのは別に苦でもなく。検査機で横にされたうえに、仰向けになってーうつ伏せになってー向こうをむいてーバンザイしてー右周りで一回転して素早くーなどと指示されて、バタバタ動くのが笑えた。案外、ダンスと同じかも、とか。
所要2時間で終了。部屋に戻るとニューヨーク行きチケットの詳細が書面で届いていた。わお、ニューアーク発着のコンチネンタル航空だ。5年前と同じCO08/09便。ベスト。これで2往復分+それ以前にホノルル往復してる分のマイルで、台北くらい行けるんじゃないかしら?
丸2カ月ぶりに散髪。側頭・後頭部1mmバリカン、高トンガリ路線でカットしてもらう。まじ風邪ひきそうなくらい、爽快。
流山児★事務所『ガラスの動物園』@森下ベニサン・ピットを観る。客席隣りは美術家の加藤ちかさん。どーもお久しぶり。
今回は演出・文学座の松本祐子、美術は摂っちゃん、照明金さん、と流山児色薄めな公演。
アマンダ・李麗仙がですねー、わりと“スリリング”な演技をなさってましてねー。前半客席でもドキマギしまスタ、ってがの正直なところ。あの滑舌も、個性とか味とかには視えづらくなってるし。だけど、物語自体が展開するにつれ、李さんの芝居に垣間みえる、“普通”じゃない感じや、ブッ飛ぶ瞬間(それは台詞も?)、無邪気さがおかしくて、“スリリング”さはどこへやら、おもしろがって視れるようになりました。
流山児からのトム・若杉さん、ローラ・SABOこと青木砂織は、手堅いなかに流山児なテイストをみえかくれさせつつ、素直に演じていた。好きだな。
2幕、お調子者演技なジム・粟野史博(アイスホッケー出身ってなんか納得できるルックス)と、ローラとの、二人のシーンは素敵だった。ジムが、足が悪くて容姿やなんやらにコンプレックスを抱いているローラに、「そのままでいいんだよ」みたいなこと言って、キスまでしちゃうシーン。ちょっとウルウルきた。
きっと他で観ると、『ガラスの動物園』ってばもっと全体的に違う手触りなんだろうなー。その意味では“流山児★事務所公演”だったかな? いろんな原点が散りばめらいるらしい、テネシー・ウィリアムズの戯曲自体を読みたくなった。
流山児時代にお世話になった、ライターの山田ちよさん、「鮎川想」さんとも久しぶりでご挨拶。舞監のムーチョさん若杉さんが小ぢんまり呑みに行くので、顔出したかったものの、明日朝から珍しく出張校正につき、お暇する。

2004-02-04
ザ・ギンザ

珍しく出張校正@銀座R社。例によって昼休憩挟んで正味3時間30分にて終了。わい。
伊藤桂司 谷口広樹 ヒロ杉山@ギンザ・グラフィック・ギャラリー。伊藤といえば僕の中ではなんかブリキの自発団だなー。ヒロ杉山のややイラストちっくな一連の作がかっちょいい。ふと覗いた芳名帳に美々ちゃんの名前があってビックリ。彼女近くでバイトしてるから、昼休みにでものぞいたかな?
life/art'03@銀座資生堂ギャラリー。てけとーに作ったオブジェが散在していた印象。
Apple Store,Ginza。三越過ぎたあたりでビルの銀色壁にリンゴマークを発見!はや血中Mac濃度煮えたぎる。まぁ噂どおり、うじゃうじゃいるスタッフ男子はイケメン率低いものの、まずは好感。4階の自由にMacにさわれるコーナーで思わず自分のサイトのチェックやら、同じくMacな方のBBSに衝動カキコやら。どうせ定価ならこれからはココで買いまひょ。
無印良品有楽町店。漆の汁碗、石鹸箱、オリーブオイル、カレーパウダーと適度な散財で癒し。
ティップネス中野。筋トレ。バイク30分。ハリウッドヨガ・プラス45分。途中ガイド本の編プロと業務連絡。ボスから逆に感謝の言葉までもらって、次につながりそうで安堵する。
着替えて後。ロッカー室前ベンチで「ますださん…ですよね」といきなり話しかけられる。ビックリ&冷汗。1月の日記に書いた“腹筋台でゲイビデオの貸し借りを相談なさってた”方でしたー。僕の記憶ではフライングステージを一度観に来てくださってるハズ。僕のサイトにいつ頃から漂着されているのかは不明ながら、お読みになったそうで、もう苦笑するしかないアタイ。なんにせよお声かけてくださって感謝&嬉しかったですぅ。

2004-02-05
『ここだけのはなし』

朝飯。買ったばかりの漆の椀で味噌汁を食べる。今までは白い磁器の碗だった。手に持った重さが全然違うし、形もやっぱりコレだよね、と今さらに。
軽く校正労働。コインランドリー。立ち読みでニューヨーク安宿情報リサーチ。
JAM Studio St Valentines ACT C-side『ここだけのはなし』@しもきた空間リバティを観る。全8作品を変則スケジュールで上演する企画。森川佳紀くんが客演している。
駅前でジャスミンさんと待ち合わせ。初めて足を踏み入れるややこぢんまりした劇場。客席でフライングステージのノグやマミーとわらわら合流。
シナリオライラー、ダンサーとそれぞれの夢を追った挙句に、独り身・仕事ナシな女同士が、20年ぶりに再会して…てなお話。
森川くんは不倫相手な役どころでワンシーン登板。出から体温高かったし、その場っていうのが、もう一人の女の離婚した男が追いかけてくる状況だったりする。思惑交錯な会話で、森川くんの演技がおもしろかった。本音を話す台詞も、“ブレ”がなくて、よかった。
ただね、芝居全体はぶっちゃけダルかったです。特に主人公女二人の会話とか、演技以前に台詞自体が“浅く”って、困ってしまったわん。
終演後、フライングステージでもお世話になっている、音響・加藤くんとちょっと話す。森川くんにももちろんご挨拶。
ジャスミンさんと居酒屋・宿場へ。まずは確定申告講座をお願いする。実態は「必要経費計上勇気づけの儀」なので、5分で終了。収入減でも去年同様の必要経費でGO ! ドラァグショウでの武勇伝はじめ、話題いろいろ。
なんでだか、帰りの電車でずっと夜行バスか列車で、どこかへ日帰り旅がしたいと考えていた。京都? 大阪? それとも行ったことのない土地、例えば、北陸。ふっと抜け出したいモードなんだろう。仕事も空白地帯だし。

2004-02-06
晴れ晴れハレバレ

いま抱えている仕事の進行がすべてクリアになった。ニューヨーク行きと重なるとヤだなと思っていたが、それまでにほどよいスケジュールですべて終了すると判明。ホッ。ただし、その後ぱったり途絶える可能性は去年の例からいっても大。ま、そのときはそのとき、ってことやね。
D社ガイド本台湾最後のインデックス、奥付などを仕上げて九段下まで納品。晴れ晴れハレバレ。午後早くからティップス中野。たっぷり60分版ハリウッドヨガプラスを挟んで筋トレ、バイクも60分、ペダル漕ぎながら『疾走』読進。タイトルどおりストーリーが助走し始めた感あり。ジャクージにも浸かる。ユニクロで手袋を買う。ニューヨーク対策。
拾った日経を読んでて笑った記事。「マックの社長がマックにヘッドハンティング!」 コンピュータからいっきなりハンバーガーなのねー。
で、結局どこへも行かず、相変らず新宿区四畳半でビール。ま、どこにいたってビールなんだけどさ。

2004-02-07
暇なときはせいぜい

7時頃起きて朝ビール。例のティップで声かけてくれた方のサイト日記をつらつら読みながら。僕や僕の周りのゲイとはいい意味でひと味違うゲイライフ。そんで、二度寝する。昼前に起きて、部屋の片付けを少しした。
ティップネス中野。そうよ、暇なときはせいぜい通いなはれ。バレエ古園井さんのリリースストレッチ→マットピラティスパワーヨガ→バイク30分→ジャクージ。ヨガのイントラはエアロ出身じゃない雰囲気で、ポーズもきつく充実した汗が流せた。

2004-02-08
お買い上げ合計4305円

森川くんとNYホテル作戦会議byケータイ。あぁ、寄りかかりモードなアタイ。とりえず押さえの物件を確保することに。
ティップネス中野。元タックス金曜店子・マサルくんとバッタリ。筋トレ、バイク60分。今日は雑誌熟読。
中野図書館でD社ガイド本ニューヨーク、旧版だけど借りておく。島忠中野店突入。イスで擦り切れささくれ立ってる畳対策。1畳のイ草上敷をデスクサイズでカットして対処するのも一案。だけどなーんか気が進まない。まだ無印のラグマットのほうがいいような。単なるムジラー心理かねぃ。ヒバのまな板、お試し買いの保存ビン1ケ購入。日曜午後に行ったことを後悔しつつ、平和なファミリーファミリー感に辟易。
いったん部屋に戻って今度は新宿へ。西武新宿ペペのダイソー。外国人観光ツアーが旗に率いられて来ていた。ここも混雑。リストしてあって細々したものを買う。ヨドバシカメラ。補充インク、名刺用紙、スプレークリーナー。安物タイメックスは修理に出す。プラスチックバンドのリング状部品が切れてるのだ。結局バンド総とっかえ所要約1カ月。
タワーレコード突入。ブックスでTime Out New Yorkを読むのが目的。手近なベンチが空いていたので、座ってページをめくる。ふむふむドキドキ。「Dance」「Theater」欄のタイトルを追うだけで、アガるわー。『Nacked Boys Singing!』は上演中なのねー。チェキだわ。前2列だけ料金高いってが笑えた。試聴何枚かするも衝動買いはなし。オッシュマンズでシューズを見る。色鮮やかなadidasの復刻ランニングシューズは継続検討。
おそらくはBeginner's Luck。南口コンコースでビール1本立ち呑み。銭湯。
NHK芸術劇場を後半から観る。1年前の流山児★事務所『青ひげ公の城』。インタビューとかあったなら観たかったな。豪華?メンバーでのプロデュース公演だったとはいえ、国営放送で流れちゃうなんて、ねぇ。1989年佐藤信演出での流山児★事務所初演を想い出して遠い目になってしまう。これが制作デビューでした…。

2004-02-09
四畳半麦倶楽部

B誌原稿書きの下準備でネットリサーチ。自分も含めてだけど男の欲深さに感心するやら呆れるやら。某ウエブ通販の試験サイトアップとのメール。校正用に画面をちんたらプリントアウトする。今週仕事1本追加。S社ガイドムック奥多摩。うーん、ややオーバーフローしそうだにゃ。そこでついにヤル気は失せてしまい、夕方から四畳半麦倶楽部。ネット雑誌ガイドブックにテレビを往ったり来たり。

2004-02-10
味噌汁にヨーグルト

何かで読んだあいまーいな記憶で、味噌汁にヨーグルトを入れてみる。失敗。単純に量が多すぎて、あぶなげな汁物と化してしまったー。とほほん。
最近、朝飯は座布団に正座して、木のトレイをケーキの空き箱に置いて食べてます。ほんとは小さなちゃぶ台が欲しいところなんだけどね。
某ウエブ通販サイト校正。S社ガイド本福井校正。これ、12月にやったムックの内容を横流ししたくさい。写真見覚えあるショットばっかやん。
ティップネス中野。やさしいバレエ、筋トレ、バイク60分。『疾走』読進。お休み前ってオカマはジムなんぞに行かずに遊びに出るのよね、きっと。てな人出?でした

2004-02-11
凶暴ノート『はなうたと知恵熱』

朝がとても静かに感じられた。不用品回収車が8時半に来るまでは。S社ガイド本横浜校正。担当者によってアカ字の出ぐあいが違うのって、“そういうこと”なんだろうな。
リンゴ企画@神楽坂セッションハウスを観る。ノブちゃんこと樋口信子ちゃんが凶暴ノートで参加している。このほかに3デュオが出演。
カーぺット巻きになったノブちゃんと斉藤栄治の登場からはじまる、凶暴ノート『はなうたと知恵熱』。カーペットを広げたり、丸めて枕よろしく横になったり。はなうた、もあり。ノブちゃんをただ肩にひっかけて、顔キメありで斉藤がびゅんびゅん踊るシーンがおもしろかった。その後、彼女を下ろした前屈みのままフリーズするんだけど、その後ろ姿がなんでだかとても素敵だった。アンバーの照明を浴びて、ね。
トータルでは、以前観た『電球シャンソン』と違って、ややしっとりとした雰囲気。わるくないけど、もうひとつピリリ&ガツンとしたものが欲しかった。
他の女子デュオはそこそこ踊れはするものの、作品イメージにどれもげんなり。逆にオープニング、エンディング、合間あいまの、わりといいかげんなふりで全体が踊る短いつなぎダンスのほうが、無責任なぶんおもしろかった気がするなー。
ラビオリ土屋さんと一緒の回で、帰り道近況を話す。年男の彼から、厄年は気を付けたほうがいいぞ、とアドバイスされた。
偶然つけたテレビに山中総ちゃんが。あー、いい三十男になってきてるねー。富士ゼロックスのCMに釘づけ。ヒューマン・ビート・ボクサー、AFRAがめちゃクール。
深夜、森川くんとNYホテル作戦会議その2。日曜に押さえで取ったホテルはキッチン付きにしてはなかなかお安いのだけど、ソーホーの東側・チャイナタウン近くっていう立地がやはり不満。チェルシー界隈の物件に変更を決める。

2004-02-12
S・アルバッサーム・カンパニー『アル・ハムレット・サミット』

S社ガイドムック奥多摩秩父に着手。12月の福井よりは少し気楽だ。
ティップネス中野。本日は筋トレのみ。ルナさんがウォータークーラーを呑んでル姿が、バレエ5番ポジションの足で、なんだか笑ってしまった。それを本人に言ったら、「人間誰しもダンサーよ〜」とサラリ。
レイマン・アルバッサーム・シアターカンパニー『アル・ハムレット・サミット』@新宿パークタワーホールを観る。クウェートのカンパニーで、東京国際芸術祭の一環。客席は背広姿のみるからにインビ〜なお客ばっかり。
舞台には、パネルディスカッションや会議、それこそ“サミット”に使われそうなイス&机が正面向きに。机には「HAMLET」などと役名が書かれたプレート、マイク、それにビデオカメラなども。ビデオカメラの映像は中央奥にあるスクリーンにスイッチされて投影。
ハムレットの物語を、現代のとあるアラブの王国に置き換えた、いわばアダプテーションもの。武器商人が陰の支配者として登場する。オフィーリアが自爆テロしちゃったり、王クローディアスが、オイルダラーに祈りを捧げたり、ラストにハムレットイスラム原理主義者になったり…。
イスに座ったまま正面向きで台詞を言うかたちが基本。ちなみに台詞は武器商人がらみ以外は、たぶんアラビア語で、スクリーンのさらに上にある表示器に字幕が出る。役者と同時には観れなくて、これはややしんどかった。てかイライラもした。
「一見大胆なハムレット翻案に見せかけながら、湾岸戦争からイラク戦争へといたる国際政治の矛盾を鋭く批判するメッセージ性の強い作品」(公演紹介小冊子)では、確かにありましたねー。
ただ、なんというか、舞台上で行なわれるパフォーマンスそのもので、鋭く切り込んでくるんじゃなくて、台本(ほん)/物語/《言葉》で、ってふうにボクには視えてしまい、不完全燃焼。たとえばAV機材駆使しまくりの低温・冷徹な世界なわけでもないし、逆に生生しくもなくてね。
それでも、なかなか観る機会がない作品だから、ひとまずチェキしておいて正解だった。にしても有料入場者はいったい何割いたんだろうー。

2004-02-13
温泉とそば屋

終日S社ガイドムック奥多摩秩父。温泉とそば屋のオンパレード。それはそれでそそられるんだが。宿もたとえばここなんか、行ってみたい気がするわ。
盛田屋の豆乳せっけん&豆乳ローション、本人的にはなかなかいい感じだ。てかあれだね、ローションで水分補給することがスキンケアでは肝心だったのね、とオカマのくせして呑気に口走ったりもする。とりあえず顔面粉吹きイモにさえならなきゃいいのよ。ちょっとお高いけれど、豆乳クリームも試してみっかー。
明日春一番が…なんて言ってるけど、今シーズン、雪はどうなってんの?

2004-02-14
健康診断の結果

B誌原稿書き。説明抜き、“事柄”の積み上げで、昼過ぎには2000字以上までたどり着いたので、まあ、順調。
区民健康診断の結果が届く。まず訂正。ポリープが見つかったのは脾臓ではなく胆のうでした。あらためてネットで調べたら続々ヒット。超音波検診でよく見つかる事例のよう。別に何かに気を付けることもないし、気を付けたからといった小さくもならないらしいので、定期的に検査すればいいみたい。
それ以外は異常ナシ。「体重が少ないの食事内容の見直しを」とは指摘されてましたがー。自分的に省みれば、正常値内だけど中性脂肪は減らしたいな、と。
S社ガイドムック校正続行。夕方で集中力切れ。
ティップネス中野。パワーヨガ、筋トレ、バイク45分。

2004-02-15
とにかく→ひたすら→まだまだ→万歳三唱

7時。朝食。根菜長葱の味噌汁、茹でさき鶏笹身&納豆、もやしもずく酢和え、黒米玄米ご飯。食後ガブ呑みコーヒー。
S社ガイドムック奥多摩秩父。とにかくやる。
11時30分。昼食。塩鯖焼き、そのついでに蒸したクタらせたチンゲン菜、里芋蓮根牛蒡ひじき煮、朝と同じご飯。昼寝15分付き。
S社ガイドムック奥多摩秩父。ひたすらやる。
18時。夕食。うどん玉買ってきて、玉子、茹でさき鶏笹身などてけとートッピングして啜る。
S社ガイドムック奥多摩秩父。まだまだやる。
22時30分。さすがに頃意欲消失。もー、続きは明日やって夕方までに直接届ければいいやー、風呂入ってビール呑んで寝るべー。
と、コンタクトレンズをつけたら眼球に激痛。あいたた。うっかり消毒液のままで中和してなかったわ。慌てて中和液を入れて、ちょんのま考える。中和所要時間2時間弱、もちっと校正頑張って、午後着便に載せることを再度決意。ケガの功名系やね。
24時10分。どうにか、てか強引に、終わらせて梱包。まず先に銭湯に行く。休湯日前&店仕舞い前で、内容はともかく若いノンケが駆け込んできて、ささやかな、てかいじましい、目の保養。
25時15分。コンビニにで発送。万歳三唱気分。んで、ビールとさきイカ燻製を買い込み、ロンリー打上げ@新宿区四畳半。

2004-02-16
こんにゃく座『花のラ・マンチャ騎士道あるいはドン・キホーテ最後の冒険』

昨日の反動でマッタリ脳な昼間。B誌原稿たらたら仕上げて送信。ティップネス中野。筋トレ。
オペラシアターこんにゃく座『花のラ・マンチャ騎士道あるいはドン・キホーテ最後の冒険』@三軒茶屋シアタートラムを観る。ホリエさんと一人おいたすぐ横の席。
なんだかホッコリ楽しい時間でしたわ。ドン・キホーテのお話自体をさっぱり知らないので、置いてけぼりになるかも、とちびっと覚悟はしてたものの、全然杞憂で。狂気/正気、現実/非現実みたいなことも、うすらぼんやり考えながら観てました。
デビアン井出茂太による、さりげなーく、かつ何だかヘーンな小ネタ系振りに、いちいちウケたりね。風車に立ち向かっていくシーンも踊りというか動きでうまーく表現してて、拍手!
メイン舞台の中央部分を下げたアリーナ状態な使い方。天井には白い布がかけわたしてあって(←これ自体の演出的効果は疑問)、照明のブリッジもいつもより下げてある。トラムの空間がギュッと濃密になって、それも“体温上昇”に貢献してたかなー。
カワくんの司祭役じゃないときの衣装が、フォークロアなデザインで、色も他のキャストは地味だけど彼一人鮮やかで、それがすんなり似合ってて、ステキだったわん。メンズ・ノンノとかのモデルさんみたいだった。
終演後、ホリエさんと地下の楽屋へおじゃまする。その途中にある稽古場では安藤洋子のワークショップ開催中。のぞいたらわりと男子多し。グネグネしてましたー。
超早で帰りじたく完了のカワくんと、キャロットタワー裏にある赤提灯へ。焼鳥屋なんだけど意外とキレイだし、味もいい感じ。冷やしトマトには天然塩?とバジルがかかってたり、ゴーヤのおひたしも茹でてひと手間味付けしてあったりで◎。
じきワークショップに参加していた美々ちゃんも合流。今夜の舞台のことからいろいろと話し&呑みましたー。

2004-02-17
本田唯一さんと呑む

S社ガイド本伊豆校正。伊豆、ねぇ。その昔バイト先に伊豆の漁師町出身のビー部(ラグビー部ね)クンがいてね。ある年の秋に、彼の実家から大量・大漁のサンマが送られてきて、土曜のオフィスに一人だけだった僕は、すごーく右往左往した記憶が、ある。
納品して、新宿へ。ジーンズメイト、無印、紀伊國屋前の雑踏でアキラさんとバッタリ。一番の目的だったタワーブックスは休館日。またヤられた。成城石井で味噌を買う。
本田唯一さんと呑む@中野・和民。だんだんに増殖する制服姿の高校生グループのために移動二度。!?と思うものの、居「食」屋を名乗ってるからいいらしい。あれこれ話してゴクゴク呑む。ハイ、後半ヘベレケモードで記憶不在でっす。スンマソン。

2004-02-18
うだだらうだだら

昨日書き忘れたこと。
チャンネル徘徊で観た1シーン。酒場の女が客の男をなじる。「アナタのなかにはインランな悪魔がいるのよ」。自棄酒中の男「オレの悪魔を追い出してくれー」。立ち上がりいきなり上半身を脱ぐ。ベルトを抜いて女に渡す。ペシンペシンと叩く女。痛みに耐える男。叫びながら外に飛び出していく男。急ブレーキの音。女が見に行くと、上半身裸のまま血を流して倒れている男。「アタシのせいじゃないわ」と人影で自分に言い聞かせる女。
って昼ドラならではのベタな展開はどうでもよくて、その裸がすげえイイ体だったもんだから、釘付けでした!ということを言いたかったんでした。戦隊モノ出身らしい白川裕二郎。まじで脱ぐとすごいんデスだった。マッチョじゃないんだけど、スジ筋以上にそれぞれの筋肉がパンプしてるって感じでしたー。にしても、話的には別に脱ぐ必要ないのにな。主婦層サービスな演出だったわけね。
んで、本日。気が付くと、入浴券まで出して銭湯へ行く準備したくせにへたりこんでました…。その後、寝たり起きたりを繰り返しながら引き続き“注入”続行。日が昇り午前中ようやっと布団に潜り込む。
午後起きて、S社ガイド本上高地。半分くらいやって、うだだらうだだら。
ワールドカップ予選オマーン戦観る。辛くも、だったなぁ。勝利ゴール決めた久保竜彦セクシーだわん。
ニューヨーク、リサーチほどでもないけれど、関連サイトを彷徨う。

2004-02-19
tpt『エンジェルス・イン・アメリカ

明け方、右足排腹筋のこむらがえり襲来。しばらくぶりだったが稀にみる激震だった。S社ガイド本上高地特急仕上げ。ティップネス中野、筋トレ。
tpt『エンジェルス・イン・アメリカ』@ベニサン・ピットを観る。第1部「ミレニアム」第2部「ペレストロイカ」をマチネソワレと連続で。関根さんも同じく。
もう10年近く前になるのか、セゾン劇場でやはり連続上演を観て、かなりぐったりした記憶がある。それを思い出して一抹ならぬニ抹も三抹も不安を抱えつつ臨んだ芝居。
結果からいうと、もうすんごくおもしろかった。あちこちギャハギャハ笑っちゃいましたわん。
エイズとか人種とか、戯曲の書かれた当時の変わりゆく世界状勢への不安みたいなものとかっていう、物語そのものテーマは、ぶっちゃけどうでもよくって。ただ目の前で繰り広げられる役者たちの芝居が、シンプルにおもしろかったんじゃないのかな。
おそらく去年『ベント』を上演したワークショップがらみの若手を中心に、いい意味で正しい意味で真っ向な演技をみせてくれてね。ややアングラ系だったり脳の血管ブチ切れ系だったりする、役者体そのもののを堪能した合計約7時間でしたー。
男子視姦的にはですね、隠れホモ既婚モルモン教徒の裁判所書記官ジョンを演じた、朴昭煕(ぱく そひ)に激萌え。サラ髪一重目ホームベース顔咀嚼系ってルックス、カンペキ。しかもわりとムダに脱ぐのさ。それがまた胸厚ガッチリで、かすかに幼い表情との絶妙なアンバランスに、もう唾液が止まりませんでした。演技もまだスレてなくってとっても一直線だから、もうもう…。
エイズになって恋人に捨てられたブライアーの斎藤直樹もなかなかイイ男だった。検査シーンで後ろ向き全裸になるんだけど、腰から太腿にかけてのラインにうっとり。
でね、この芝居、天使がブライアーの部屋に、天井を突き破って登場して第1部終わりってのが、ひとつのクライマックスなのだ。セゾン劇場では麻実れいが、ブロードウェイ同様宙吊りだった。それはそれで「これかい」って感じで笑えたんだけど。
ベニサンではですねー、2幕終了後の休憩にさぁこれが天井ですヨと言わんばかりにつけたキャットウォークのパネルが、ずろーんと開く。とね、天使は男優さんで、しかもなんだか雷様みたいな半裸腹がけ状態なの。それが甲高い声で異様にハイテンションで、天使の到来を告げる。隣りの女性客ともう激笑してしまいました。
この時点ですね、すべてがオッケーになっちゃったのは。
第2部までの間、S社へ納品。一連のシリーズは終了なのでごあいさつをかねて。関根さんと再合流。お食事処難民になりかけたけど、中華屋でなんとか腹ごしらえ。
続く第2部。その天使クンお告げシーンから、ほぼ始まるんだけど、これがもう血管ブチ切れ系演技の嵐。しかも高いイントレ上で体使った/張った芝居。挙句は横になって「飛んでますー」とかになったりして、もう最高でしたわん。チョウソンハくん、いいわー。
第2部って物語的にもある意味無責任な展開になって、それにつれて役者たちの演技もだんだんイっちゃいだして、そのドライブ感がさらに楽しめました。中川安奈のモルモン・センターの場面での、もはや「捨てちゃってる」としか言えない演技とかねー。
ブライアーを捨てたルイス・池下重大と、やや自棄ぎみにカミングアウト?しちまったジョー・朴との、キスシーンあたり、最前列ならではのドキドキものでした。海を眺めるシーンでは、座って後ろから抱きかかえる朴が、池下の股間に手を突っ込んでモゾモゾするのとかも(何みてんねん)。
あー、あとねー、美術のシンプルさかげんもすごく好きだった。
基本的に素舞台。最低限のイスとかが、それこそ役者が座る直前に、控えていたスタッフが間髪入れずサッと置いたりする。時には一瞬の暗転中にスタッフが足音を立てて舞台を走り抜けたりする。ロイ・コーン山本亮の寝るベッドなんかは、ベニサンの金属扉が開閉して、キャスター付きでガラガラと音させて出てくる。そういう音とかギリギリに出す緊張感とかスピード感も小気味よかったなー。
って、止まらないので、以下中略。
日本初演のときのぐったりは、劇場がでかすぎて物理的によく視えなかったことや、摂ちゃんの美術が大仰だったことや、何よりエイズのことがテーマ的におもくのしかかってきたからだった、とは思う。
それが今日の舞台はね、とにかく単純にシンプルに、目の前にいる役者の芝居が楽しめました。それでいいんだ、と思った。戯曲に書かれたテーマ自体じゃないんだよね、結局。そこにいる人間がキチンと見えてくればいいんだよねー、とも。
終演後、第2部を観ていた、伊東由美子さんとごあいさつ。
関根さんと揃って興奮気味に感想を口にしながら、新大橋通りを、途中アルコールを補給しながら、住吉まで歩いた。それもとても楽しい夜の散歩だった。
いんやー、これでチケット代1万500円。全然オッケーでした。
半蔵門線の車内で、『PRESENT』について三上その子さんが書いてくれた雑誌・詩学の文章を読む。とても温い視線で綴られていて、深謝合掌。

2004-02-20
高校時代の友達と呑む

某誌初夏号の通販ページ原稿校正。これで今月の仕事納め。高田馬場ライフリーで合鴨玄米調達。中野の無印良品。春物でウエスト70のとかあるわねーとか見てたら、セール品で900円なんてパンツがあって即買い。
高校時代の友達、森田くん、谷中くんと呑む@中野・樽や。谷中くんの子どもは春には高校と聞いて驚き。思い出話もそりゃしたけれど、現在の話もできて充実。それと、自分の「立ち位置」とかについても少し考えた。

2004-02-21
R・ムルエ&L・サーネー『ビオハラフィア』

ティップネス中野、筋トレ、バイク60分。マサルくんと今週も遭遇。
ラビア・ムルエ&リナ・サーネー『ビオハラフィア』@新宿パークタワーホールを観る。例によって東京国際芸術祭の一環。
詳しく書くと、ラビア・ムルエによるビデオ作品『FaceA/FaceB』『魂と血をもって』の上映と、リナ・サーネー出演のパフォーマンス『ビオハラフィア』。しめてこれで約1時間。
どちらのレバノンのアーティスト。レバノンの事情≒中東状勢、盛り込みモリコミ〜な作品。はっきり言ってハズレでしたー。招聘する意義だけでセレクトしてるんじゃないの?って悪態つきたくなるくらいだった。詳細にご興味ある方は、ここにレビューがありますのでご参照あれ。
終わり方もね、わかりやすーく、宙ぶらりんだったので、先頭きって客席最前列から立ち上がって、とっとと帰る。
悪場所経由で、某アジアン・カフェへ。某ゲイ知人の「僕たちお付き合いはじめました!」な披露宴(笑)へ顔を出す。一度破談したことも聞いていたので、今日に漕ぎ着けたことが、単なる外野にしても素直に嬉しい。ノンケ友もまじえての温かな集い。春巻、点心、餃子、パッタイ、タイカレーと、前から気になっていたカフェだけに、楽しい時間。そこそこ面識ある彼氏くんともお話できて、いい時間でした。Hug Always!

2004-02-22
APE『Wanna catch you!』/フライングブックス1周年パーティ

久々の乗るりんかい線。大崎駅の乗換コンコースにできてたスープ・ストック・トウキョウにやや惹かれた。
APE『Wanna catch you!』@天王洲・スフィアメックスを観る。メールでチケット予約をしたんだけど、受付には思いっきり面が割れてました−。去年の旗揚げから3度めだしねぃ。
例によって軽やかに、やや芝居寄りで繰り広げられるダンス。目尻の下がった松本武士クンがもうどうしようもなくかわいくて。コの字型客席だったから舞台まで手を伸ばせばすぐで、ただただ視姦しまくり。もちろん楠原竜也クンもねー。脱ぎはほぼなかったけどさ。
ただし。タイトルからも推測できるように、要は男女の駆け引きみたいなことがけっこうモチーフだったわけ。それまでは、「オフィス」だったり「ホテル」だったりという「場」だったのだけどねー。なんかそのあたりで、ちょっと不完全燃焼を感じちゃったのは、単に邪(よこしま)視線だったからしら。
渋谷のスターバックス大戸屋、東急フードショー徘徊。
フライングブックス1周年パーティーに顔を出す。愛しのカワグチタケシさんとハグハグハグ。なんだかとっても盛況で何より。ビール飲みまくり。小林大吾くんのリーディングをめちゃいいポジションで聞けてうれしかった。さいとういんこ姐と小森岳史さんの、ややマジトークを横で興味深く盗み聞き。
例によっていいかげん酔っ払っちゃいましてねぇ。ちょいと目を付けてたイケメンが目の前を通って帰ろうとしてたもんだから、オーナー山路さんに紹介しもろた。したらばね、ペテカンって劇団の俳優さんでした。しかも、僕は出てないけれど去年4月の「絶対鳥フライ」をご覧になってて、フライングステージも御存知。舞監の寅くんも認識ありだったりで、勝手に抱く親近感。ハイ、7月のトップスは男優ばっかりらしいから、ぜひ参りますぅ。
で、小森さんとちゃんとした時間にお暇したものの、結局風呂には入り損ねた。

2004-02-23
森川くんと呑む

早朝、杉本くんから携帯に電話。呑み残しビールとともに1時間半話し込む。向こうも焼酎をお供に。彼とは演劇団で2年ほど一緒だった。15年近く前のこと。今はテレビのドキュメンタリーをフリーで撮っている。積る話をたっぷりした。
そんなにかこつけてビール廃人な月曜日。ま、仕事もないし、いっかぁ、みたいな安易さ。
夕方、森川くんと東中野の音なし居酒屋・みやで落ち合う。ニューヨークの打合せがてら呑む。海外旅行ネタはほんま尽きることがない。次に会うのはチェルシーだね!ってハグして別れる。
行きつけ銭湯が休みにつき、東中野駅近くの松本湯初体験。備長炭のたっぷり入った湯が気持ちよかった。ややしょぼいジャクージ系もまー楽しめましたわん。

2004-02-24
ニューヨーク2004:東京→ニューヨーク/『ムービン・アウト』

昨日酒浸りだったせいで、朝から集中力を欠く。ニューヨークへ行くまでにやっておくべきことが脳内で散乱している状態。といっても山積みになっているわけではまったくなく。
昼過ぎ本気を出して荷造り。いつものグレゴリーのデイパに押し込む。今回はiBookくんも連れていくことにした。体重約2kgはやっぱり重たいや。
日暮里から京成特急に。スーツケースが遠慮なくいくつも置かれている車内。もはや沿線住民も慣れっこな様子だった。「就活」がどうのこうの言ってる、男子大学生5人組で目の保養をしつつ、ひたすら忍耐の成田行き。ふと「アメリカでは」のフレーズが頭に浮かんでからは、脳天気にリピート。作詞by谷川俊太郎
さすがに空港に着く頃には、退屈に耐え忍んだ“同志”って気分も漂ってくる。空港第2ビル駅到着。
夕方にかけて出発便が多いからか、去年のロンドン行きと違って第2ターミナルだからか、なんだかザワザワしている。出国手続きに時間がかかる可能性あり、なんて貼紙もあるもんだから、両替だけ済ませると先へ。ゲートまでたどり着いてから、ビールでひと息。
コンチネンタル航空CO8便。いざ搭乗してみるとガラガラ。なぜか座席指定が後方に偏っていたため、アテンダントの指示や自発で民族大移動。隣に卒業旅行で一人旅の男子イケメン大学生が…なんてことはもちろんなく、あとは12時間強のガマン。
アテンダントは、「ベテラン」とか「キャリア豊富な」って方々ばかりでしたー。唯一男子は日本人で、これまた疑惑濃厚なルックス(笑)。
機内アルコールは前情報どおり有料でした。んが、みぞさまから頂いていたクーポンが難なく通用。ことなきを得る。缶ビール1本600円とかなんだもん。感謝よ。ちなみにアルコールを持ち込んで呑む行為は連邦航空法違反なり。
今回は映画にもまったく興味がわかず、ただボーっとしてましたわ。眠くなったら軽くウトウトして、目が覚めたらただ何もせず座っていて、たまにビール呑んで、そのうち間食?の時間がきて…って具合。何かをして退屈をしのごうとするより、楽みたいだ。
それにしても寝てくださいタイムに起きていたら、不思議な気分になった。
映画を観てる人も周りにはほとんどいなくてね。ディスプレイにはフライト情報や地図が一定間隔で切り替わって表示される。目には1分ごとにしか減っていかない残りフライト時間のブルー地に白文字、耳にはジェットエンジンの音、肌にはやはりエンジンの震動。それがただただ淡々と延々と続く。
もしかして天国ってこういう感じかも、って。そうしたら、『エンジェルス・イン・アメリカ』で流れてた、たぶんシナトラの「ヘブン」が脳内リプレイ。
でも、結局はなんだかんだご託を並べてるうちに着くもんなんですよねー。ニューアーク・リバティ国際空港。灰色の空から小雪が散らつく、というより、ややマジ降り。ひゃいーん。
イミグレ通れば、荷物は機内持ち込みデイパだけなのでオスルスルと通過。とにかくホテルへGO! ロンドン行きのときに買ったボーダフォンの海外専用携帯をオンにするが、つながらない。えー? まあ、後で考えよう。
ディズニーランドのライドみたいな無料のエアトレインで空港ターミナルから、ニューアーク空港駅へ。そこで妙に親切な兄チャンに行き方レクチャーを受け、切符まで買ってもらった。NJトランジットでひと駅、ニューアーク駅(ペン・ステーション)まで乗って、PATHトレインに乗換。さらに途中のジャクソン・スクエア駅で違う系統に乗り換えて、マンハッタンの14丁目駅へ。
このルート、乗換が多いけれどどれも連絡スムーズ。マンハッタンとは違う、ニュージャージーのちょっと淋れた工業地帯?を走る通勤電車の旅で、おもしろかった。しかも合計$8.6でお得。ニューヨークの京成電車か?
宿泊先はチェルシー・イン。フロントの女性はまあまあ親切。冬のセール料金で朝食付き1泊$79。バスは2部屋での共同。まあ、この値段ならまずまずじゃない?ってところ。冷蔵庫はともかく、電気(電磁ではない)調理器&鍋類がクローゼットに置いてはありました。森川くんはステーキを焼くぞって張り切ってたけど、これじゃ…。
この時点で18時半頃。空港で真っ先に買ったタイムアウト誌によると、めぼしいダンスはない模様。迷わずブロードウェイのTKTSへ急ぐ。
一瞬の判断でまだ売れ残っていた『ムービン・アウト』を買う。んが金額を聞いてビックリ。$53だと? マジ? そっか、最近のオン作品は定価で$100とかするからねー。にしてもやや後悔系。
『ムービン・アウト』@リチャード・ロジャース劇場を観る。考えたらブロードウェイのオン鑑賞って10年ぶりだ。
ビリー・ジョエルのヒット・ナンバーで構成された青春ストーリー。途中ベトナムの影が差す展開だったりもする。でね、歌ばっかりで、しかもピアノ・マンを中心とするバンドにお任せだもんだから、キャストはただひたすら踊るわけでして。その振りがとってもバレエバレエしているの。
関根さんと行く前にちょっと話題になって、「キャストの故障が多いらしいよ」って聞いていたけど、あー、これはさもありなん、って思った。
だってもう、ムダにジャ〜ンプ、ムダにタ〜ン、ムダにリ〜フトして、しかも踊りだしの手が、アンタもうバレエじゃん!みたいな。それを、ピタピタジーンズ(視姦系)とか軍服とかでやっちゃってくれちゃうもんだから、ゲタゲタ笑って観てました。
いや、思いがけず満足。カーテンコールに「New York State of My Mind」をとっておくあたりも、微笑ましいあざとさ。皆さんスタンディングオベーションの嵐でしたー。
7番街をテケテケ下って、チェルシー界隈まで。小雪は止んで、寒さはそれほどでもない。読んではいたけれど、ホテルのすぐ横がマジで有名な大箱系ゲイバーで、お盛んなことになってました。一度は覗いてみなきゃね。
部屋からの外線電話はクレジットカードかテレホンカードのみ。うーむ。iBookでネット接続の野望はわりと遠のく。携帯はあいかわらずダメ。
クォーターをかなり貯めてあったので、海外通話のできる公衆電話で森川くんの携帯に連絡をとってみるが、なんだかうまくいかない。
いずれにせよ、ホテルの場所などすべて連絡済みなので、あした到着時間に部屋にいれば大丈夫でしょう。
タイムアウトを舐めるようにチェックしながらクアーズロング缶3本空ける。日付変更線を跨いだ長い一日が終わった。

2004-02-25
ニューヨーク2004:『アイーダ』/アポロ・シアター

水を買い込むのを忘れていた。喉が異様に乾いて目が覚める。スチームがんがんだからね。外は快晴。
チェルシー・インの宿泊代にはコンチネンタル・ブレックファストがついている。地階にあるお店にもらいにいくスタイルだった。受話器を肩に出てきた気さくなオバちゃんが、テキパキと紙袋に詰めてくれた。ブラックコーヒーにベーグル、クラフトのクリームチーズ小パック(便利!)、オレンジジュース。ベーグルは大きめ&モチモチしていてメチャうまい。
6番街を北上、TKTS経由ブロードウェイのビジターセンターでしばらくひまつぶし。ここトイレもあるし、何度も活用させてもらったわ。舞台のショート映像が流れていて『ザ・プロデューサーズ』が女装?ネタもあるみたいでおもしろそう。無料メールコーナーに挑戦。ウインドウズだもんで、よくわからないながら、どうにかこうにか。
髪型ネタその1。スウォッチの入口にいたストアスタッフ女子に。指さされて「ラビット、ラビット」言われた。うーん、あーそうなの?てか、バカにされた?ぐらいだったのですが、この時は。
5番街、マディソン街あたりを徘徊して、まだ雪の残るセントラル・パークにもちょこっと足を踏み入れる。
コロンバス・サークルに新しくできたタイム・ワーナー・センターへ。地下のホール・フーズ・マーケットにて、$6.8/1パウンドとお高いがコールドサラダバーで昼飯。そのまま8番街を南下してブロードウェイに戻る。なんだか人出がすごい。
アイーダ』@パレス劇場を観る。
デボラ・コックスたらいう女性シンガーが主役!ってのが最近のウリ(延命策?)みたいだが、本日水曜マチネはアンダースタディさん也。アフリカ系生徒の多い学校が団体でご鑑賞。ノリよし。座席はすごーく前のほうだった。
ま、わかりやすーいお話のミュージカルでしたわ。エルトン・ジョンの音楽はね、悪くはないんだが、例えば、アフリカのヌビア王国復興!って一幕の終わりが、ゴスペル調でやや違和感だったり。宣教師だかエジプトの支配者だかのナンバーもあって、振り・衣装が、ヘンにハイパーっぽいマトリックス風だったりして、全体的にどうにもアンバランスな気分。それぞれは笑えましたけどねー。
案の定、円環構造で終わるのね、とわかっちゃいても、オオラスでほろりと泣かされちまったさ。
8番街20丁目付近のチェルシー・ゲイエリアをサササッと徘徊。ポルノショップ入口(笑)にて、HX、NEXTなどゲイ・フリーペーパーをごっそりいただき。5年前に首輪を買った店は健在だった。19丁目にあったア・ディファレント・ライト・ブックストアは噂どおりなくなっていた。残念。
とりあえずホテルに戻り、携帯で連絡がつかないままの森川くんを待つ。18時に順調に到着。難なく合流、うれしや。相手の旅疲れをもろともせず一方的に話しかける僕。
ひと休みして、一緒にアップタウンへ向かう地下鉄に乗る。さすがにアフリカ系比率が高くて僕はちょっと緊張。初体験のハーレムはそれほどわるくない第一印象だ。125丁目通りには、ドカーンとショッピングセンターまでできてるし。
マチュア・ナイト@アポロ・シアターを観る。
すでに始まっていて、司会だかゲストだかが歌ってらっしゃいました。わけわかんないながら、いいなー。進行もやや不明なまま、観客によるユルイダンスコンテストがあったり、また別のゲストが歌ったりするうち、肝心のアマチュアさん登場。わりと「アマチュア」度高かったかも。客席からブーイングされると(てか皆反応がむっちゃダイレクト)、追い出し係?がバットや斧やギターやらを持って登場して、即アウト。けっこう次々と沈没して、司会のオッサン「信じられん」の繰り返し。
一番ウケたのは、その司会のオッサンがいちいちする、アマチュアさんの物真似。歌だけじゃなくて、ポエトリーくんも一人登場した。まあ、オリジナリティは薄味だったけど、直球スポークンワードで、楽しめた。
髪型ネタその2。125丁目通り路上にて。同じくアポロシアター帰りらしい、アフリカ系のまだ若い女子から、声かけられました。これもバカにされたっぽい?
腹ペコのまま、チェルシーまで戻り、ホテル近くのデリにて買い込みして遅い夕食。丸ごとポテト&ベーコン、フライドライス、ボルシチ調スープ(これが、うまかった。できたてだから?)。
携帯不通問題は、1-800コールで日本に電話。いわいわに調べてもらった。感謝。要はアメリカで使うには、周波数の切換がいるんだと。あっさり解決!
フリーペーパー類をあれこれ読みながらビール。実はこれがいっちばーん楽しい時間かも。

2004-02-26
ニューヨーク2004:『バルセロナ・イン・48アワーズ

ホテルの外線発信はすべてコーリングカード限定。フロントで$5分を買ってAOLでのアクセスに挑戦! 結果はNG。そもそもiBook内でのモデム設定がうまくいってないみたい。ふう。深入りすると際限ないので止めて出かける。
森川くんと、チケッティング2カ所経由サウスフェリーへ。無料で往復できるスタテン・アイランド・フェリーにて自由の女神観光。僕は15年前に冠のところまで登ったことがあるんだけどね。ロウアー・マンハッタンの高層ビル群を背に立つ女神様はなかなか凛々しかったです。初挑戦なプレッツェルはめちゃ塩っぱくて、しかも時間が経つとカチコチに。
サウス・ストリート・シーポートまで歩いて、アバクロことアバ−クロンビー&フィッチへ。まだ日本で有名になる前(偉そげ)、裸男視姦目当てに、カタログをアメリカ留学中のみぞさん経由でわざわざ購読してたのだ。つ、ついに…っと高まる緊張感。
いきなりショーツ姿の美形スタッフくんが笑顔でお出迎え。よろめき狙いかよ。店内は春・夏ものアイテム全開。まぶしいほど。ババアには不似合いな明朗闊達ムード。すぐに気押しされちゃって、そこそこに退散しますたわ。
チケッティング再挑戦経由、デリで買い込み部屋にて遅めのランチ。かなり空腹だった森川くんはやや無謀な量の食料調達(笑)。僕はライス、スペアリブ、野菜炒めを詰め込んでもらって$6.50也。
部屋で一時まったりする。ダンスを観るまでのちょっとハンパな時間に、タイムアウトで取り上げられていたギャラリーへ。ブルックリンのダンボと呼ばれる新興アート地区?にある。以後単独行動。
F線がイースト・リバーを渡って最初のヨーク・ストリート駅下車。ブルックリン初体験。すでにして、というかそもそもブルックリンでも外れなエリアな気配。駅には広告がまったくなく人影もまばら。地上に出ると予想どおり倉庫街。道ゆく人が少なくて、小心者ババアはぴりぴり。
マルチプレックス MULTIPLEX@スマック・メロン・ギャラリー Smack Mellon Galleryを観る。
木のスロープや階段を組み合わせて3層のフロアに、ビデオ作品を鑑賞するコーナーがそれぞれに設けられている。元倉庫か何かの天井が高い空間を活かした、いかにもな見せ方ではあったな。
ニュースフィルムの断片をつなぎあわせた作品があって。なぜだか日本語字幕がわざわざついていてて、しかもかなりヘンな、つーか間違ってる訳ズラズラなの。単純に笑えた。ビデオ自体はどれもso so。空間構成込みのトータルで何かを提示するっていうのは、ほとんど視えてこなくて、うーん、学園祭ですかー?な印象も。
  
このあたり、マンハッタン・ブリッジ、ブルックリン・ブリッジのたもとにあるエリア。とってもマッチョな建造物・橋脚なんぞを見上げる眺めは、夕暮れ間近でけっこう素敵だった。川向こうのビル群の合間には、ちょうどエンパイヤも顔を覗かせていたし。
バルセロナ・イン・48アワーズ Barcelona in 48 Hours』@ダンス・シアター・ワークショップを観る。
全面改装したようで、5年前とは違って、ギャラリー兼ロビーの白い空間からしてとても素敵になっていた。小さいながらもバーコーナがあるのも良いわ。てかうらやましい。
ダンスのDavid Zambrano、写真・映像のAnja Hitzenberger、音楽のEdward Ratliffの三人によるマルチメディアなパフォーマンス。といっても、ハイテクハイテクしてなくて、ほのぼのしたムードだった。
音楽はアコーディオン、ベース、パーカション、バイオリン、サックスによる、アコースティックな生演奏。やや哀切漂う旋律だったりする。映像といってもセピアの写真をスライドショー的に見せることが多い。時にちゃんと動くんだけどね。
で、肝心のダンス。
ザンバラノは、黒髪で髭生やして、カルロスとかホセってイメージ(笑)な、オジサン。やや濃い味。ひょっとしてオバサンかも、な疑惑系。もう一人。ブロンドの美形な若者マット。二人して踊る。
しょっぱな、コレって太極挙?な動きが、次第にネロネロ融けてインプロしだすんだけど、どこか微笑ましい。笑っちゃう。だけど、いいんだなー。
挿入される映像は、その二人のバルセロナ滞在48時間を描いている。観てると、男二人の関係はもうかなり疑惑濃ゆ濃ゆ(笑)。視え隠れする微妙なニュアンスが僕にはおもしろかった。もちろん、そういう風に視せようとは全然してないんだよ。
あるいはダンスについてザンバラノの語る言葉が、スライドショー映像に、静止する画像に、本人の生ダンスに順番で重なっていったりする。映像が音とリンクして、断片のショットが踊ってるように視えたりもした。
微笑ましさからジワリジワリと体温があがってきてね、じんわりと楽しめた1時間だった。ぶっちゃけゲイ・ネタとして自分勝手に視たから、だったのかもしれない。
チェルシーのポルノ・ショップを何軒か社会見学(笑)。オールド・ネイビーで替えを持ってこなかった靴下と、Tシャツを買って部屋に戻る。
ビールのお供は、チキン・ヌードル・スープ。初めて食べたわ。塩っぱいながら、チキンがこれでもかーと入っていて、ニューヨークの味覚ってことでは美味。 

2004-02-27日
ニューヨーク2004:DIAビーコン/ストレブ『スラム・ショー』

今日はDIAビーコンへの遠足(笑)。森川君がグランド・セントラル駅まで見送りにきてくれる。地下鉄に乗ろうとパーク街に出たらば、突き当たり遠くに建物がデーンと見えた。なので、出勤タイムの、風が吹くやや寒い町を歩いていく。
グランド・セントラル駅の大コンコースは好きな場所のひとつだ。割引きの入場券付き往復チケットを買って、100近くあるプラットホームからメトロ・ノース鉄道の近郊電車に乗車。このときちょっと疲れもあってか異様に緊張していた。
新幹線と同じく3+2の広い座席。電車はハドソン・リバー沿いを北上。マンハッタンを抜けたあとは、予想したとおりの景色がただただ続く。左になみなみと水をたたえた川と対岸の岩場、右には葉を落とした木々。ときに映画でみるような町が現れる。縦棒+ニの字な電柱や、ワイヤーに吊るされた信号機なんてのも目撃。まさに「世界の車窓から」状態で、1時間半の旅はあっという間。ビーコン駅到着。
駐車場以外マジでなーんもない駅前。同じくDIAへ向かう学生らしい集団がいたので、さりげなくくっついて行く。一人でいきなり着いたら心細かったかもしれない。それにしても、天気がよくて、青空が目にしみるようだ。
DIAビーコン DIA Beacon見学。
結論から言うと、めちゃくちゃよかったですわ、ブルータスで読んで次回はMUSTと思っていたのだけど、わざわざ行ったほんま甲斐があったわー。
まずね、展示空間そのものがいいの。印刷工場をリストアしているのだけど、レンガ造りで天井が高くて、ノコギリ屋根のガラスから冬の日が差し込んで、地下にもこれまた巨大な空間があったりして。とにかく無駄に贅沢に広い空間なの。しかもフロアは木だし。こういう場所に立つだけで、空間フェチにとっては超刺激的。正直ね、グネグネ踊りだしたくなっちゃった。
もちろん、作品もすごいのさ。インスタレーションがほとんどの現代アートがズラズラ。無駄に巨大、無駄に物量作戦、無駄にそぎ落とし、ただの石、ただの穴、ただの紐、ただの日付、ただの白いオブジェ。そんなんばっかなのだ。人間の形をした作品がほとんどないのがいい。はっきり言ってこれのどこが《作品》なのさ?なんてのもあって、そゆのがかえって好きだしね。もう刺激びんびん受けまくり。
なんだろう、錆びた金属、ガラスの破片、積み重ねられたフェルト、ラテックス、土と鏡、なんていう素材そのものが伝えてくる“なにか”も、すんごく多かった。
通称、ウォーホールの間。圧巻でした。連作「影 Shadows」がグルリと飾られた部屋。色違い約70点が文字どおり一堂に会していて、独特の色使いとリズム感をソファでしばし満喫した。てか、へたりこむ。
僕的無駄ナンバーワン大賞は、Walter De Mariaの作品。奥行き50m以上はあるだろう細長くド広い空間。その床に、○型と□型の大きな金属オブジェがぽつんぽつんと横たわる。その隣にも同じスペースがあって、今度は順番が□型○型と逆になってるだけで同様なの。いいわー、すげぇ無駄。ダンス衝動を押さえながら、ツカツカツカツカ何度も往復したり、立ち止まったりしちゃった。
以下、羅列。Robert Smithson。テッシーが喜びそうな(あるいは引用元?)砕けたガラスのインスタレーション。Richar Serra。巨大な錆びた鉄のオブジェ。Louise Bourgeois。ややグロいオブジェ。どうみても切り取ったナニでしょコレはなオブジェは、「フィレ(ソフト・バージョン)」みたいな題だった。Jhon Chamberlain。これのどこが抱き合う二人だったり、カフェオレだったりするさ?なクズ鉄グニャグニャ組合せオブジェ。
いやー、あくまで静かな、だがしかし確たる刺激をズンズン受けて、かなりうっとり。何度も書いたけれど、こんな場所で踊ったり芝居したりしてみたいと思った。打ち負かされるであろうことは、火を見るよりも明らかでもね。
髪型ネタその3。DIAにてアジア系の女子から「クールな髪型ねー」と。後ろ姿ではもっとイケメンを想像してたのかも(爆)。
約3時間滞在後、マンハッタンへ戻る。TKTSチェック後、ホテルに一度戻って、今夜もブルックリンへ。
ベッドフォード・アベニュー駅下車。ここらはレンガ造りの落ち着いた街並み。そもそも人通りがある! レストラン、カフェ、古書店が点在してて、なかなかいい雰囲気だ。
目指すは倉庫街にあるスタジオ。開演のかなり前に着いてしまった。ウロウロするよりはと入る。と、ガキの姿が目に入って、わるい予感ちょっと的中かも。すごくユルくて好きなイスに座ってて待ってていいわよ、と。
鉄骨組みの下にマット。ユニタード姿のパフォーマーが、ゆるゆるストレッチしていた。その横で子供たちがワイガヤ。これはもしかして体操教室の発表会? 母親らしき人々もウロウロしている。すんごく浮いてる自分。うーん、ま、始まればどうにかなるでしょ。さすが開演近くなると保護者系以外の観客も集まってきた。
ストレブ Streb『スラム・ショー:ホーム・シリーズ3 SLAM Show : home series 3 』@SLAM (Streb Lab for Action Mechanics)を観る。
ホーム・シリーズと題されていたから、お試し的なショーだったみたい。小品をズラズラと。ダンスというより体操のワザを披露しましたー、な内容。照明も明るいままだし衣装もユニタードのまま。演出ってものがほぼゼロ。
おまけにみなさん、体型がややだらしない傾向でね。腕・胸の筋肉は確かにすごいのさ。けど、そのお腹どうしちゃったの?みたいな。その体操教室の子供が出る作品もあって、「よくできまちたー」なムードでトホホ。
ラストの、T字型ジャイロスコープ?を使ってパフォーマーが宙を舞う『フライ Fly』。フォーメーション的、動き的にもそれなりにまとまった作品で、とりあえずこういうことがしたいカンパニーなのネってことはわかった。
後で気が付いたこと。こゆのって、乗越たかおさんが書いていた「アメリカ・バカダンス系」(手元に本がないので表現曖昧)なのかも、と。
ホテルでだらだらビール。戻ってきた森川くんとだらだらトーク。ずっと一人きりより断然いいな、こういう旅。 

2004-02-28
ニューヨーク2004:『フォーティセカンド・ストリート』/『ザ・ネイキッド・ボーイズ・シンギング!』/『デ・ラ・グアルダ』

チケッティング経由、タイム・ワーナー・センターに再度突入。ボーダーズにてゲイ雑誌のそうざらえ以下立ち読み三昧。ホール・フーズ・マーケットにて超級市場的快楽堪能。週末でめっちゃ混雑。特売中のオーガニック・シリアルが「ZEN」なんてネーミングで、へぇーと手に取っていたら、「それ、おすすめだよー」とまとめ買いのニューヨーカーから颯爽と声をかけられた。
スープ・デリでマンハッタン・クラム・チャウダーを買って、セントラル・パーク入口で食べる。アサリというよりただの貝類破片ドッサリ+ジャガイモ、ニンジン、セロリなどなど。美味だったけど、やっぱり塩っぱい。にしても、今日は暖かい。 
『フォーティセカンド・ストリート』@フォード・センター・フォー・ザ・パフォーミング・アーツを観る。年齢、体脂肪率ともに高めな観客多し。
新しい劇場なので3階席からだとやや舞台までが遠い印象。思い切りマイクで拾ってる台詞はときどき誰がしゃべってるのかわからなくなった。何も考えずに歌と踊りが楽しめる、バックステージもの。特にタップ、それもキャスト総出での、は文句なしに拍手モノ。音楽も口ずさみやすく、とっても「ブロードウェイ・ミュージカルを観たわー」な気持ちになれましたー。ややお腹いっぱい。
42丁目通りの吉野家へ突入。ふーん、やっぱアメリカじゃ「早い」は実現できなかったのね、な行列具合。食器はすべてプラスチック容器使い捨て。味噌汁はあからさまにインスタントでした。本場のアメリカン・ビーフを使った牛丼=ビーフ・ボールは、ややくどい味な気が。日本人の姿ちらほら。
週末とあってますます混雑に拍車がかかるブロードウェイ。逃げるようにビレッジへ移動する。
チケッティング後、クリストファー・ストリート徘徊。頼みのブックストアはやはり姿を消していた。黒&青のレザーフラッグを掲げたロンドン・レザーは相変わらず。18時過ぎからもう男たちで溢れてたバーはBoots & Saddle。ってレザー系?
『ネイキッド・ボイーイズ・シンギング!』@アクターズ・プレイハウスを観る。
去年観た森川くんが言っていたように、駅前劇場を小さくしたような場所だった。開演前の客席は女性グループを中心に異様なハイテンションでやかましい。何しゃべってるか聞き取れないのもあって、不快なほど。
で、開演。ハイ、あっさりあっぱれ丸出しでしたー。こちらが恥ずかしくなるくらい。けどそれだけだったなー。サイズ、シェイプを吟味して、それから顔と体をチェックし終わると、あとはすることない、みたいな。特にイケメンもいなくてね。どちらかというと、苦節うん年…みたいな頑張ってるオジサンがいたり。
ミュージカルとしてはね(って語られ方がすでに下げっすよね)、ピアノ伴奏生歌。声量がみないまひとつ。言っちゃえば歌自体もそれほどうまくない感じ。それでコメディタッチだから、歌詞の内容が理解できなくて、置いてけぼり感がじょじょに募る。
ジム通い&クルージングなんかの歌もあって、ゲイ・ライフをモチーフにしてるようなんだけども、スタンスがやや微妙。揶揄しきるでもなくってあたり。そもそもチン出し抜きにするとですね、内容はあまりない気がするし、レインボーフラッグ掲げてもらっても、ある意味迷惑よ、みたいな(言い過ぎ?)。って、英語がわかれば深いものがあるんでしょうな。
 
あと、僕の観た回だけかもしれないけれど、お客の下品さには辟易しました。特にオンナ。肉食動物メスが示す狂熱の体でした。もうキャーキャーなの。ただナニを観に来てると思われても仕方ない反応だったわ。「もっと脱げー」みたいな野次まで飛ばしていたし。呆れて「シーッ」とたしなめる声が客席からあがったほどだった。
2本観て、作品がこんなで、この時点でかなりグッタリ。でも今夜はもう1本控えているのだ。ホテルに戻り、森川くんと合流してユニオン・スクエアへ。
『デ・ラ・グアルダ』@ダリル・ロス劇場を観る。
来日公演もあったし、二人とも前に観ているのだけれど、今夜は「ボーイズ・ナイト」特別版。ゲイ・フリーマガジン・NEXTの協賛企画らしい。
地下クローク前のウェイティングバーには、そこはかとなくイカニモ系が。髪型ネタその3。おそらくはお仲間サンから、クールといわれて素直に気を良くする。
劇場、といってもオールスタンディング、に入ると、特別ゲストDJ、トニー・モラン Tony Moranがガンガン煽ってる。あー、いい感じ。脈拍数じょじょにアップ。天井を覆う白い紙状スクリーンに、人影、ツブツブ、色ポチが横切り降り注ぐ。雷鳴。やがてそれを突き破って、ワイヤー吊りのパフォーマーたちが登場。うぉぉぉ!
とにかくねー、意味がないのよ。ぶっちゃけ、ただ人が、ワイヤー吊りされて上下左右、劇場の壁を走り回る、巨大白スクリーンをアップ&ダウン。とにかくそのすべてが小気味よいの。遠慮会釈ない霧吹き、紙吹雪、大量。客の頭上にもガンガンに。二度目なので予想のつかないドキドキ感はなかったものの、ずぶ濡れで体を張った姿には、心底ほれぼれした。美しかった。背広姿の濡れ濡れってアングラDNA持ちにはストライクだし。
途中のDJタイムでは、パフォーマーに脱がされて上半身裸になる男性も。みな、いいガタイ。そのままマッチョが抱きかかえられ宙を舞ったり。あー、飛びてぇ。
一通りのパフォーマンスが終わってから、またさらにダンスタイムへ突入。パフォーマーたちも衣装のまま一緒に踊りまくるの。もう気分かなり高潮。疑似ゲイナイト体験? こういうふうに踊るのって何年ぶりだろう。気持ちいいもんだねー。
そんな勢いのまま土曜チェルシー8番街のゲイ・エリアをフラフラ徘徊。ピザを買ってホテルで腹ごしらえ。

2004-02-29
ニューヨーク2004:ノンビリを決め込む 

ポカポカ陽気の日曜。森川くんはハーレムの教会へゴスペルを聴きに出かけた。僕は疲れもあってかノンビリを決め込んだ。
毎朝観ていたテレビはニューヨーク1。同性愛結婚のニュースは連日放送されていた。あと、ミュージカルやアート展などの地元ネタ情報も多くてよいの。
昼前、ユニオン・スクエアのバーンズ&ノーブルへ。立ち読み欲を満たしに行く。あー、なんでもっと早くに来なかったのかな、と少し後悔。腹筋視姦しつつトレーニング本、料理本などを熟読。さすがにまだ座り込むのは抵抗あるな。デザインが気に入ったカード式ヨガ本を自分用お土産1号に。
フード・エンポリウムのホット・バーで昼飯調達。ユニオン・スクエアで外飯。歩いてすぐのストランド・ブックスで、自分用お土産2号のマグカップを。
ビレッジを抜けソーホーまでブロードウェイをてくてくと。
ジョン・ウォーターズ:チェンジ・オブ・ライフ John Waters: Change of Life@ニュー・ミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アートを観る。
おそらくは映画ビデオからのキャプチャー画像を再構成した平面作品がメイン。『ピンク・フラミンゴ』の監督だから、映画でゲロしてるシーンを集めたり、アップになった肛門が並んだり。まぁブラ〜ックな笑いを浮かべながら鑑賞いたしました、ってところかな。60年代撮影の自主っぽい映画も上映していた。わけわからんけど、ヘンだった。
確かこのあたりにあるはず、とプリンス通りを歩いてったら、アップル・ストアに遭遇。例のロゴを形だけくりぬいた黒い鉄板が、小さく壁にあった。建物自体は渋い元郵便局舎。
URLを覚えていたフライングステージのホームページをのぞくと、しっかり日本語で表示。わお! そこを起点に自分の/知合いのサイトを徘徊。
さらにメールのみで使っているハンター・ポイント・オンラインのサイトから、メールチェックまでできちゃった。重い思いをしてしょってきたiBookくんでのネット接続はダメだったけど、ニューヨークで自分宛のメールを、少なくとも読めるとはビックリ。
ソーホーも日曜でめちゃ混雑。16時過ぎにはチェルシーに逃げ帰る。今回初のスターバックスでグランデ・サイズのコーヒー・オブ・ザ・デイを。ニューヨークじゃさらに大きいサイズがあって、みんな呑んでいる。グランデでもすごく少ない気がしてくるわ。買ったばかりのストランド・ブックスのマグで飲む。
ベッド・バス&ビヨンド突入。巨大ホームセンター。キッチン用品売場で体温上昇。逡巡した挙句、把手付きのサーモマグ、パイレックスのスパチュラを自分用土産3号4号にゲット。
戻ってきた森川くんとアカデミー賞授賞式をテレビでダラダラ観る。助演男優賞はすぐ発表になって、あっさりとガッカリ。
隣にある巨大ゲイバー、スプラッシュの“アカデミー賞授賞式を大画面で観ましょう”イベントに潜入。ほんま、やっけに広い。年齢層わりと高め。今宵はみんさんただ番組を視てるのでした。ちょっと間抜け。森川くんに言われてアニー・レノックスだってわかった彼女の、たおやかな冷めた熱唱はすばらしかったなぁ。
地下にもフロアがあってですねぇ、そこはエロビデオも流れてちょっとヤル気ある(笑)ムード。ドアや仕切りのないままトイレにつながっていて、そのすぐ斜め前が生ビールのカウンターってのはどうよ?
元教会がクラブになってるアバロンでのゲイナイトへも社会見学!と一時は意気込んだものの、疲れで断念。こういう予定は最終日の夜に入れるもんじゃないねぇ。次の機会にぜひ!