ますだいっこうのあと@ベルリン

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クリストファー・ストリート・デー[ベルリン2014]

U1ワルシャワシュトラセ駅には蛮声飲酒屈強肉体誇示派男子群、なかの一人はムエタイ選手みたいなパンツにサンダル履き、さりげなくガン見しつつ先頭車両に座ったら後からその軍団ごとドヤドヤ乗車、目の前に脱ぎ脱ぎくんが!大賑わいででも野蛮wなノンケかと思いきや遠慮がちに隣に座ったオバチャンが脱ぎ脱ぎくんに「どうして裸なの?」とか尋ねると「ゲイだから、今日はゲイの日だから」とのお答え。軍団ご一同様が腕左右に巻いてた赤と黒のリボンは、最終フロート・ディルドキングのものだとあとで判明。
CSD Parade 2014:いわゆる従来パレード、スタート時間間際12時30分に到着。西ベルリンの目抜き通りクーダムには、大型トラックかデコトラダブルデッカーバスかなフロート車両が列をなし、どういう経過で乗ってるのかわからないけど、乗ってる人々は鈴なりでお鍛えなすって系も多数、爆音音楽アルコール、なかには大型ドリンククーラー備え付けてる車両もあったりで、パーティ気分ムンムン、フロートだけか徒歩グループも含めてかわからないけど、しんがりのディルドキングフロートが確か22だった。あっと驚くデザインは自由の女神の頭部再現のアメリカフロート。あと、イスラエル国旗をアレンジしたレインボーフラッグが大量に配られてて、他にも無料配布六虹旗数種あればまだしも、ちょっと突出してたのが気になった。にしても確かに政治団体が今年は抜けたこともあって、政党フロートは海賊党のみで“商業的”なスポンサーが目立つのは事実。徒歩参加のグループもいくつか、その中では、制服着用許可で揺れたドイツ含む各国警察官LGBTIグループの隊列がキリリと感動的。それらの合間合間をもはやドラァグだか仮装大賞だかな何だかかんだかな“クイア”なお歴々が徘徊する。[先頭は横断幕、続いてホモフォビア諸国の国旗を持ったドラァグ社中、そしてフロートと続いていた、地元テレビ局の2時間中継動画より、以下同様]。特段混ざって歩きたい団体もなかったので、クーダム離脱、パレードを待つ人々が集まりだしたノーレンドルフプラッツ経由、ちと無駄足も。
ポツダム広場で、AktionbuendnisCSD Berlin 2014:今年からの新パレード、に合流。従来パーレドの商業寄り路線に加え、パレード名を「ストーンウォール」云々に変える変えない+その名称を商標登録したとかでいわば分裂した政治寄りパレードという前情報だったけど、ラブパーレドってこんなだったのかもねな従来パレードに比べれば地味なのは事実だが、僕的には馴染みやすい雰囲気。政党のフロートはパスし、アムネスティ付近にドラム隊がいたのでそこいらに混じる。確かにパーティじゃなくてデモっぽいが、それでも仮装したりプラカードかかげたりの思い思いな雰囲気は自由で気楽だった。[こちらのパレードはウガンダ大使館起点、ロシア大使館などを経由。ヴォーヴェライト市長も前半は先陣を切っていた。ちなみに去年まで招かれていた従来パレードには今年は呼ばれずだった彼]。こちらの終点はノーレンドルフプラッツ駅南側、いわゆるベルリンの新宿二丁目モッツシュトラセで先週フェスティバルがあったあたり。ステージでのクロージング的催し待ちにしばし路上座り休憩。
従来パレードのCSD Finale 2014を様子見。最終フロートはまだ到着してなくて、ノーレンドルフプラッツ駅北側からの人出はすごく、会場である通りの北端にある記念柱・ジーゲスゾイレへ向かうにつれジェンダー関係なく人口密度増し増しで、特設ステージも複数あって、フロートに群がって踊ってる人たちがごちゃまぜになり、巨大野外テクノフェスな体感。植え込みに座り少しヘタれてのち戻る途中、「(カミング)アウト!アウト!」と連呼するUSAシアトルのゲイ男声合唱団からメインステージをしばし見物。小レインボーフラッグを縫い付けたホモフォビア諸国旗にもったドラァグが舞台に上がり、観衆も手をつないで黙祷、政権与党本部すぐ横でLGBTIの人権とくに養子の権利などを訴えるパート、警察官グループが登壇してのインタビューあたりで、撤退。これからきっと身動きできないほどの人混みでのダンスとかで盛り上がるんだろうけど、それはもうね、と。
Ein CSD in Kreuzbergという、SchwuZなどクロイツベルク地区主体の16時スタートのパレードもあったけど、それはもうパス〈カミングアウトした元サッカー代表選手のヒッツルスペルガーも参加だったそう。フォロワーさんやゲイメディアの画像ほか見ると、オルタナ感たっぷりで僕好みだったようで軽く後悔w〉
東京と札幌以外で初の、かつ日本国外のいわゆるゲイパレード。パーティ・商業寄りか政治寄りかがおそらくは世界の他の都市でも課題で、今年のベルリンはそれで分裂した。従来パレードは地元公共放送が中継までする、都市レベルのイベントになっていて、日本で能うかぎり「ゲイです」と歩いてきた自分には、その受容されっぷりとラブパレード状態な脳天気パーティーっぷりに、戸惑ううほどだったのが正直なところ。従来パレードにだってもちろん政治的主張がしっかり織り込まれているけれど、当事者性がどうのこうの以前に余所者でもある自分には、うまく書けないが気持ち的に全面的に《参加》はできなかった。その《参加》気分は政治寄りパレードの地味さやドラム隊で救われたけど、パレード自体の規模や沿道の関心は、従来パレードと比べるとつまりインパクトは低い。とか何とかねー、東京でもどこかの見下ろすカフェに陣取ってある種他人事のようにパレード鑑賞するというスタンスもあるけど、いやそれに口を出す出さないじゃないんだけど、ああ何というかつまりは、どこかマイノリティの当事者であることに、ややすがりつぎてたのかもな自分と、思い至り、けど、これを逆に考えたら、性的指向がどうであれ基本どうでもいいじゃん、と言い切れてる街なのだなと、個人的な着地点はそこかい、だけど、そこなのでした。ただしまあいわば受容されてる一方で、性的少数者が差別されるのみならず、襲撃される事件も起きているわけで、そのあたりも含めて、けどでも年に一度の、裸で地下鉄の乗っちゃえる?祭りとしてのクリストファー・ストリート・デーを来年以降ベルリンにいられるならどう過ごすのが単純に楽しいんだろう、とは極々個人的にボンクラ思いを馳せたのでした、マルw あと一本化したほうがいいのか、多彩なパレードがあるのがいいのか、はうーん街の人々次第かしらねぇ。





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