ますだいっこうのあと@ベルリン

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『Hochwertige Ziele』『La imaginactio'n del futuro』[ベルリン2015]

(05.08.2015思い出し書き)B誌原稿書き@中央図書館どーにかこーにかで一旦帰宅。んでF.I.N.D.フェスティバル本日は2本立て。『Hochwertige Ziele』@地下倉庫。初めて足を踏み入れる小さな倉庫がアジトっぽい空間インスタレーション風に仕立てられていて、間近で行なわれる二人芝居。作品の前景はCIA極秘文書によるテロ掃討作戦の目的最適化云々で、そのためのトレーナーであるドクターとトレニー?被験者?の女性という感じ。顔色悪めで目の下にはクマのある彼女はヘッドセット・センサーパッチなど装着、戦場での銃撃戦テレビゲームをやりながら、マニュアル的な文章をまくしたてるだの、地獄の特訓風味なシーンが展開、モニターでは敵の頭が吹っ飛ぶ絵が何度も。途中あわやなタイミングでwビタミン飲料やエネルギーチャージャーなんかを経口摂取とかね。かと思えば一転、女性にとって魅力的でいわゆる男性的なオトコになるためのレクチャーが立場逆転で、オーバーヘッドプロジェクターによるキーワード投映で行なわれたり、昼休憩シーンはちと場所を違えて給食的なプレート昼食をざっくばらんお喋りしながら食べたりなど。1日のトレーニングが終わり最終的にトレーニーの彼女がこっそり逃げ出して終わり。何にせよごくごく間近での特別な場での上演だったのがゾクゾクな楽しみ、中身的にも現代人にとってのいわば圧力を極端な設定で描いたものにも視られて興味深かった。あとたぶん出てる男優の発案による企画らしくて、そういうちょっとやってみそな意味合いもよかった。合間スタバに移動して孤島地図帳読進。
Theatro La Re-sentida『Imagination of the Future』@シャウビューネ。チリのカンパニーによるエネルギッシュな政治的狂騒劇に大興奮。広々舞台にはいくつかのテーブルやソファ、幕類その他が配置されていてシーンシーンで俳優たちと、ゴリアのゴム面かぶった一人が転換。独裁者ピノチェトに追われた民主的大統領の演説に、あーだこーだコーチし、あーだこーだ演出施しては繰り返し試す冒頭から体温上がる。白ジャージで緑の人工芝上での演説なんかも。舞台上の人物たちが高齢の大統領役俳優を除いてかなり狂熱っぷりもいちいち単純に笑える。想定外の水着ダンスシーンの腹斜筋エロス、ストリートチルドレンの切ないシーンがあったかと思えば、彼らへの募金を集めに客席まで降りてきた女優が仕込みらしき客に「あんたiPhoneまで持ってるくせになぜ募金しないの!」「あたしが裸になれば払うの!」とか狂うなど。あるいは「インターナショナル」高らかに鳴り響く景やら、カストロやら宮殿を象徴する垂れ幕やらそれを引き摺り下ろすやら、なんじゃらかんじゃら、あわわわわわ、台詞はスペイン語でいちおう字幕出てるんだけど舞台後方小さめで事実上読めず、だもんでよけいに二度寝して見る粘着質な夢なグッチャグッチャ感で、過去と現在をつなぐとはいえここまでドライブ感あるパロディの繰り広げぶりこそが彼らの抱えるナマの歴史ってことなんだろうなと誤読し心底拍手。アフタートークも素敵に熱かった、独裁政権崩壊からの自由・20年分って、例えばこういう手触りなんだろうか等等等。アヴィニヨン演劇祭サイト