ますだいっこうのあと@ベルリン

在ベルリン/俳優・ゲイ/演劇コーヒー映画アート読書都市旅ドイツ語/ikko119[あっとまーく]gmail.com

「Porn that way」レオナルド・フィンク写真展[ベルリン2015]

歯医者には満腹で行っとけで早昼にまたパン突っ込んで歯医者、今日からは順次前歯の蝕まれた穴を埋める技工系治療、なので医師と助手女性同士の時々お喋りを頭上に聞きながら、断片的に単語拾って話題を想像しながら治療1時間ほど。同性愛博物館Schwules Museumフラリと行く。メイン企画展「Porn that way」:LGBTのポルノを主題にした展示、解説表示が蛍光色色紙で刷られていてちょっとカラフル。天狗面をつけた女性同士の春画あたりから説き起こして、間接的なポルノ表現や、検閲、DDR時代、エロ雑誌、8ミリフィルム時代、エイズ時代以降のビデオ、コミック、フェミニズムの一環として積極的性表現、ゲイオペラ等等、何ら憚ることなくチンコもマンコも丸出しな展示自体ももはや清々しいし、表現として改めて定義し直すという狙いもあるんだろうな。ポルノ映像はたぶん敢えて映像自体をほとんど展示せず、写真・マテリアルでレズビアントランスジェンダーといったならではの切口で紹介していた。通路にまでいろんな形の膣のどアップ写真連作と、ポルノ男優の肛門丸出し写真連作が並ぶあたり天晴れ。そうそう、田亀源五郎作品が、性器が網ガケになった漫画が検閲テーマのところと、対して隆々たるモノが描かれたイラストがコミックのコーナーに展示されてました。レオナルド・フィンクLeonard Fink「カミング・アウト Coming Out」:1970年代にニューヨークで活躍した写真家のモノクロ作品群。埠頭廃墟ハッテン場での自撮りやプライドパレードの様子など。場所時代的にデイヴィッド・ヴォイナロヴィッチと重なる想定はしていたけど、まだ若い風貌の彼を捉えたショットがあっておお再会!写真集もじっくりソファで眺める。「Und das war auch gut so - 13 Jahre Klaus Wowereit」:昨年末退陣したベルリン元市長でゲイのヴォーヴェライトの展示はささやかにカフェ一角で。あと一室でいわゆる新着収蔵品を展示していてアート系のみならず、ハンブルクLGBT施設に投げ込まれた石とか、中をズタズタに切られて「ゲイは病気だ」「頭がおかしい」などと小包の内側に殴り書きされて返送された3Dの巨根とか、パートナーの名前と併記されてるヴォーヴェライトの記者会見での紙製ネームプレートとか、その収集意欲=歴史を作る/次代へ伝えていく意欲に改めて感服もし勇気づけられた。
アメリカ記念図書館に寄る、帰りにVHSがらみで始まった演劇プロジェクト主宰のアルムートとばったり&暫し立ち話。夕飯まぜまぜ素麺夜食ピーナッツチョコ、ニュースなどウダウダみながら、あれこれネット検索するけれど、別に何か考えてるわけじゃないんだよなという当然に気付いて少々身の毛がよだつ。あとこんな一文も何だかね“失語症の患者さんはなかなか上達しない外国語の世界で生活しているようなものです”。