ますだいっこうのあと@ベルリン

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シュテーデル美術館/フォーサイス・カンパニー『クラウズ・アフター・クラナッハ1+2』[ベルリン2013]

ikkomasuda2013-09-27

宿が朝食付きなのをすっかり忘れてたんで3mmくらいありがたい気分。ま内容は小地味最低限で、数種のパン、シリアル、ハム、チーズ、キュウリ、ドリンクといったところ。旅先の朝、いろんな人間模様が見渡せる席で、それ込みで味わう。もちろん十全にカフェ淫もしておく。
駅のツーリストインフォメーションで現代美術コース情報収集。旧市街へ向かってプラプラ歩く。欧州中央銀行前ユーロオブジェに劇場、市役所&歴史的街並のレーマーや大聖堂、レコメンドされたうちの1カ所のシルン美術館は展示替え期間。観光エリア北側の繁華街をふらふら、広場の市でヴァイスブルスト。路面電車が地下も走りますよ風情なUバーンをハウプトヴァッヘ駅→シュヴァイツァープラッツ駅間短距離料金で乗る。
シュテードル美術館。地下に新設された現代美術ギャラリーが目当て。テーマ別にて、ドイツのアーティスト多めで、あれもこれも見られて、単純に楽しめた。ティルマンスの間もあってアガった。ダニエル・リヒター『Horde』が本日一番のシビレかな。備忘録:Leon Golubの性・暴力・暗め作品、以前ギャラリーで見て震えたPhilipp hennevoglの細密建築リノリウム版画も収蔵らしい。上階にあがるにつれ時代を遡る展示もざざーっと見学ながらグッド。古典絵画を掛ける壁の色がオレンジだったりグリーンだったり大胆配色なのが、たぶん計算されてのことだからだろうけど、部屋部屋に雰囲気を変えて興味深かった。地下からすれば丸い天窓、中庭からすれば緑の芝生に開く穴穴を日向ぼっこしつつ眺めてひと休み。トラムに乗ってボッケンハイムヴァルテ電停。上演場所と当日券1時間前発売を確かめ、ちと腰我慢で歩いてホステルまで戻る。
17時半すぎ再度劇場、といっても元倉庫のような転用施設へ。準備する案内スタッフはフレンドリーで、当日券は余裕ゲット。しばし近場歩き回る。ライプチガーシュトラーセ駅にかけて、リッチげな地元民向け店が並んでて、ちょうど夕方いい雰囲気。
フォーサイス・カンパニー『クラウズ・アフター・クラナッハ1+2 Clouds After Cranach 1+2』@ボッケンハイマー・デポ。舞台+階段状桟敷客席を、客席の背同士を2面合わせた造り。1部から2部で客は座席を移動する。1は巨大なライトボックス的な物体の下で繰り広げられる。フォーサイス・フィジカルの身体機能美だけでもお釣りがくる踊りっぷり。…ハッ!ウッ!シュタッ!見上げる、のけぞる、静止、巻き戻し早送り、ありえん角度にねじくれまくる体、日野武道思わせる納豆ちっくコンタクトなどなど。上からナニモノカが襲ってくるかのような息詰る場を堪能。坊主頭の若き剣術達人的かっちょよさ島地、化粧濃いめ存在感バリバリ安藤らも込みでねー。
さて後半・2。客席うしろ側でいきなりパフォーマンスが始まる。訛った英語とどこの言葉かわからない言葉との逐語レベルで翻訳?調査?する的な不条理会話劇風味。その男女の間で、冒頭一瞬だけ「逮捕された」云々とシーンがあった息子役男性が、子供の一人遊び的な動きで一見無邪気に動く。演出的に狙ってであろう関係の成り立たなさは、スピーカーから流れる啜り泣きなんかも相まって、かなり笑えないレベル、正直やや脱落したけど、見え隠れする悪意と1と2を通して言わんとすることは、ズッシリ伝わって持ち重りする手応え。偶然ながら“ホーム”で観られてよかったわ。
ホステルに戻ると強制終了級眠気に襲われ、そのままー。