ますだいっこうのあと@ベルリン

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テアトル・ド・アナール『従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインがブルシーロフ攻勢の夜に弾丸の雨降り注ぐ哨戒塔の上で辿り着いた最後の一行─およそ語り得るものについては明晰に語られ得る/しかし語り得ぬことについて人は沈黙せねばならないという言葉により何を殺し何を生きようと祈ったのか?という語り得ずただ示されるのみの事実にまつわる物語』

ikkomasuda2013-04-07

テアトル・ド・アナール『従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインがブルシーロフ攻勢の夜に弾丸の雨降り注ぐ哨戒塔の上で辿り着いた最後の一行─およそ語り得るものについては明晰に語られ得る/しかし語り得ぬことについて人は沈黙せねばならないという言葉により何を殺し何を生きようと祈ったのか?という語り得ずただ示されるのみの事実にまつわる物語』@駒場アゴラ劇場。
〈メール件名欄に用件を書いちゃった的長題ウィトゲンシュタイン芝居。言葉・認識のありよう等に直球向合う骨太劇は見応えズッシリ、男優5人だし!正直想定外だったジェンダー要素には別腹ならぬ別脳がグルグル。演技出力もうちょい減でもOKかも?〉。そう、ぶっちゃけ特段イケる男優はいないものの5人の濃密芝居ということで、前夜に予約できた朝11時の回を拝見。さらにぶっちゃけると、ウィトゲンシュタインが同性愛者、少なくとも劇中での描かれ方では、というのはすっかり想定外で刮目。哲学的な理的な気づきなどと対照的な位置づけもあって、離ればなれの彼氏との物語も紡がれてて、そうくるかぁと純粋なビックリ。ここにはいないけど心の中で現れる彼と、ホモフォビックな同部隊の兵士とを、同じ人物が演じるとかも、そうするかぁと微量なトマドイ。第1次世界大戦最前線兵営、途中の真っ暗闇で物音や声ときおり切り裂く光で描かれる戦闘シーンなど緊張感ありありなつくりは素晴らしかった。けどちょっと昼前に食べるにはちょっぴり演技が脂っこすぎたきらいもありw。
メモ:「露助め」って台詞に小さく吹いた/「おセンチになっていては」が「汚染地」に聞こえた自分に小さくグッタリ/暗闇シーンは右目をつぶって残る左目の暗闇とほとんど同様だった/神/言葉でしか考えられない/「ウィトゲンシュタインは一九一六年、塹壕の暗闇で、敵の砲撃に立ち向かいながら、死と直面していた。私たちは、今なお、明るい電灯の下で、物質の法則に立ち尽くしたまま、向かい合い方を迷っている」(パンフレット掲載・野村政之『祈り、哲学、演劇』より)。
風ボウボウななか丘を越え渋谷まで、スターバックス文化村通り、ロフト文具売り場、日曜爆弾低気圧一過の人出に尻尾巻く、東中野トレヴィ内エビ天巻き路上食い、〈岡田利規『遡行』けっこうおもしろい。…にしても「おかだとしき」→「岡田利樹」とまず変換して「定規」と入れて不要な文字削除って毎度繰り返すのは何とも〉。