ますだいっこうのあと@ベルリン

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『Der Raeuber Hotzenplotz』/『the fault lines』

ikkomasuda2012-12-21

Frankfurter Tor駅近くのちょっと古めかしいベッケライで、もうこの界隈ともお別れだからと初の朝パン。頼んだパンを紙袋に入れたのでいやココで食べると言った時点でオバチャン店員がキれ、ブロック状のパン・フォルコンブロートと小さめなフォルコンブレートヒェンですれ違い、さらにコーヒーも注文するとレジ打ちでトラブってすっかりおカンムリ、てなマンガちっくな“ドイツ語”を体験。
昨日の横堀さんが言ってた児童劇を観に行くことにした。飛行機のロゴをあしらったデザインのパンフレットは以前から何度も目にしていたし、近所なので11時半の回へ。劇場のいわば表玄関は時計塔もある愛らしい建物で隣には演劇大学も併設していた。当日券を買い、すぐ近くの、これまた城風な地区庁舎リヒテンブルク・ラットハウスラットハウスに地下ギャラリーratskllerがあるのを通りがかりに発見、覗いてみる。「上流階級の仮面をつけた野蛮人、制度的な暴力」と題された展示は、権威・制度に疑問を投げかける系のビデオ、インスタレーション、イラスト、ペインティングが並んでいて偶然にしては上出来。白雪姫の格好でユーロディズニー入口から排除される映像や、全世界の移民申請書を本にしたもの、ブラックパンサー党のメンバー自伝からgunなどの単語だけ浮かび上がらせたデザイン等等。
『Der Raeuber Hotzenplotz』@Theater an der Parkaue。6歳以上とある作品で子供たち&その親たちともども鑑賞。盗賊もの童話の舞台化なのだけど、演じるおっさん俳優4人とも全身タイツ姿。ベニヤ感満載の大きな箱状回転式セットと、役者それぞれもベニヤ板で前後をはさまれてキャラを演じたりもする。アラビックな旋律のテーマ曲とか、ブルーの全タイツで重心を下げないw舞踏めいた踊りとか、日本の良識wからすると子供向けにはアクやや強めで、そのあたりがかなり興味深かった。あと休憩時間に、ホットドックをわざわざその場で挟んでピクルスだケチャップだマヨネーズだつけて無料で配ったのにはビックリ。時間帯的にお昼にかかるからなのか、休憩時間恒例なのか分からないけど、微笑ましさ全開。
滞在先近所を侘しく走るトラム21に郊外側からやっと少し乗って、いったん部屋に戻る。サーフ・スティックは最大通信量を超えてしまいノロノロ速度なこともあって、Wifi求めてスターバックス・ハッケシャー。
『the fault lines』@HAU3。ダンス・トリエンナーレあたりで辛うじて名前だけ知ってたメグ・スチュアートと、Philipp Gehmacher、Vladimir Millerの共作。開場すると♂2♀1が三者三様の位置体勢で佇み、映像照明機材がざっくり配置された静謐な空間。ダンサー♂♀が静かに歩いて衝突して取っ組み合うムーブメントがしばらく繰り返される。部分的に掛かるカーテン前だけ映像がフォーロされてて、小さなスクリーンに映っている。ぶつかり合いから、単身で腕を伸ばしたり動きを確かめたり座り込んだり寝転んだりに変わり、位置取り次第でまた違ったニュアンスが立ち上がる映像が、今度は正面奥に大きく映される。男だけの映像を眺める女、大きな映像のごく一部分だけ=体を部分的にピンホールで映してみたり、さらにその場で映像へ書き加えられる線画も映されて、それまでのいわば二者の関係がさらに変容していく。さらにさらに映像にソフトフォーカス的なフィルターがかけられて、女性だけをフィルム状レンズで別枠な視せ方をしたり、と計算された/コラボレーションされた映像+ダンスでおもしろかった。あと音のありよう、前半衝突男女シーンはホワイトノイズのボリューム上げ下げ、その後も環境音的なものでその禁欲度もああ“らしい”なぁと。最後に男性ダンサーが舞台前に歩み出てどこか切なげな振りをひとしきりして終わり。全体ニュアンスは、限りなく男女モノの感傷っぽかったけどね。
19時30分開演で上演約1時間だったので早めに戻る。ネット調べものあれこれやって、寝た。