ますだいっこうのあと@ベルリン

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『マリア・ブラウンの結婚』

ikkomasuda2010-04-26

買い出し。洗濯。午後出がけに小雨。郵便局。スープ屋。スターバックスカフェ淫。今さらを承知でテレビドイツ語テキスト。
Die Ehe der Maria Braun』@シャウビューネファスビンダー姐さんの映画を舞台化した作品。昭和30年代のホテルロビーのような、って形容もどうかと思うけど、絨毯にイス・テーブルの調度品が点在するゆったりしたスロープ舞台。乱暴なまとめ方をすれば“肉体の門”的な女の半生とドイツの戦後がダブる、そんな風に視た。マリア以外の登場人物はベテラン男優4人が入れ替わり立ち代わり、ヅラ、衣装、眼鏡もろもろを変えて演じる。ぶっちゃけジイさん俳優の女装系がアブナイなまめかさで、ヅラ+シミーズ姿やらに拍手。シーンによって自分たちで空襲警報のサインを鳴らしたり、駅・汽車ではスモークをたいたり。たぶん重厚な台詞劇だろうからついていけないかも、という想定は嬉しくもはずれ、食い入るように観賞。時代背景説明っぽい画像・映像が正面奥に以外に、スカートの裾へ投影されたり、たぶん金目当てで色をしかけた老人の裸を手持ちビデオから観せるといったビジュアルの使い方もなかなかの計算ぶり。絨毯の色調のせいかグリーンっぽく視えた照明が微妙にニュアンスを変え、特別な機材じゃない吊り照明も降りてくる。音楽もクールで、物語自体は例によって曖昧にしか理解できなくても、その魅せ方の絶妙さを舌の上でたっぷり味わった、余裕と緊張がないまぜになった作品だった。長谷川寧さんもいらしてたので興奮気味に喋る。
WGに戻ると、ギターつま弾くマリルーとジェニー@キャンドルの炎の中。インスタントスープ啜りながら、ああその曲なら知ってる、ディランの『コーヒーもう一杯』だね、などと。