ますだいっこうのあと@ベルリン

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バレエ・プレルジョカージュ『Les 4 saisons...(四季)』

ikkomasuda2006-02-04


D社ガイド本台湾校正。さすがに根詰め3日めで眠い。途中、マクドナルド落合店で気分転換する、土曜の朝9時半、意外と繁盛、からだに良い特集ブルータスめくるのはちと場違いか。午後手元分すべて平らげて安堵。安堵し過ぎて梱包しただけで発送を忘れて出かけてしまい一度戻る。アホ。

バレエ・プレルジョカージュ『Les 4 saisons...(四季)』(Ballet Preljocaj"Les 4 saisons...")@初台・新国立劇場中ホールを観る。

幕開きそうそうエッ!となる。舞台は天井からオブジェがブラーンと吊り下がっている。クレヨンで落書きしたみたいな太陽や雲の書き割り、巨大なブドウ、普通サイズのイス、なんかグニャグニャしたもの、雑多にいろいろブラーン。舞台上手から、透明ビニールな着ぐるみ+その下は裸の男女が、単純な振りを繰り返して横切る…。も、しょっぱなから『N』とは異なる印象。それでも続く黒い布をマントのように身にまとった人びとが厳かに登場してフロアちっくに群舞するあたりは、ちとおっかな身構えて鑑賞。

でもね、オブジェのひとつ、植木鉢からひっこ抜いたような木がストンと落ちると、あのヴィバルディの「春」が流れ込んできて、ダンサーたちは黒布を放り投げ、色鮮やかなタンクトップ+短パンで踊りだす。バレエテク駆使で伸びやかに軽やかに。ずっとベースラインは健康的で、かつダンサーたちの個性がクッキリ視えるの。

ヴィバルディの曲は楽章ごとに使われて、それも無音のシーンのあとキッカケでかかる。天井のオブジェはクリーニング屋さんの電動レール式ハンガーみたくときどき動き、あれこれが落下してき、ダンサーはずっと露出系なまま、ときにホワホワマン(勝手な命名)、全身タイツのグリーンマンや柔らか素材のハリネズミなコスチュームとかも登場。とにかく『N』とは何もかにも対照的だった。

そんなわけでしっかり男子視姦も堪能いたしました。4列目の特権ね。ちと小柄だけどガッチリしたアジア系くん、たぶんYang Waangクン、その彼よりコンパクトボディでかわいい金髪欧米系くん、のふたりがとっても景色よろしくて。悦び歓喜みたいな単語が踊りそのものからも湧いてくるような印象。終わり近くには上半身裸でご登場。軍パンにイスの脚2本をつけたこれまた不思議な衣装で、ときどき腰掛けたり引っ張り合ったりして踊るの。もうアジア系くんはほとんどゲイナイトみたいな図になってましたー。ってのはさておいても、すごく素敵なデュオシーン。その後のフロアでばったんばったんもエロ配合で(笑)楽しめたなー。

にしてもこんなにも両極端な作品を創っちゃうプレルジョカージュは、賛否はあるだろうけど、すごいと思ったわ。

あとコラボレーションのこと。『N』は音響映像アーティストとだし、今回のはパンフレットに「カオスグラフィー」なんてクレジットされてる造形作家ファブリス・イベールとだ。その相手と、がっつり、本当にがっつり、想像ながらもしかしたらそれまでの自作を否定されようとも構わずな勢いで、組んで、創ってるように思えたのね。数多あるなんちゃってコラボともうまったく違うよなって、比べるのもヤボだけど、そんなことも考えたりしましたデス。

ダンサー斉木香織さんにバッタリ。塚本晃司さん作品で大阪公演した2001年以来!