ますだいっこうのあと@ベルリン

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「愛と孤独、そして笑い」

MOTアニュアル2005「愛と孤独、そして笑い」@東京都現代美術館を観る。ざっくりいえば女性をキーワードにした現代若手アーティストの作品が並ぶ。
お目当て&観た結果でのベストは、『私の愛する男は私の中で射精する。精液が体の中を流れて行く。いつもこの瞬間、一番生きているのだと思う。』。みぞさんこと溝口彰子さんの、O.I.C(オーガーナイザー/インタロキューター/クリティック)名義で集団製作されたインスタレーションだった。
LEDで赤く光る4mのポール状オブジェがそそり立つ。それを白い半透明のスクリーンが取り囲む。男性の喘ぎ声と心拍音が低音強調で響くなか、それと連動してポールが赤く明滅する。スクリーンももんやりと赤く染まる。約5分のワンシークエンスのクライマックスにはオブジェは真っ赤になり、やがてすべてが闇に消える。
ぶっちゃけ「まんま」ではあるし「ベタ」でもあるのね。だけどそれがスコーンとある種単純明快に提示されていたのが、僕的には一番OKだったわけ。紅に染まる空間そのものも非常にきれいだったし、他の作品がどこかチマチマしさを感じてしまうのとは対極だったしね。
とはいえ、その“射精礼賛”の発出されたのが、作家個人じゃなくて、プロジェクトであるってあたりで、その礼賛に対する批評的なニュアンスも含まれてる気がして、なるほどーでもありました。
射精にいたるまでのパターンがいくつかあったり(ソーローがいてもいいじゃんね)、光&音がインタラクティブになってたりしたら、さらに笑えたかも、てのは無責任な思い付きー(笑)。
ほかまあまあおもしろかったのを列挙すると、スローガン大書きアートのイチハラヒロコ。主婦がとち狂ちゃう映像+α作品『Singin' in the Pain』の岡田裕子、家族の秘密を箪笥のひきだしにオブジェとして展示した嶋田美子、あたりかね。
常設展示もサササと回る。去年観たときとほとんど変わってなかった。宮島達男『それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く』の前でやっぱり動けなくなる。赤色LEDフェチなのかしら。
夜、ハルくんと新宿区四畳半呑みする。正しくダラダラと語りながらビールたっぷり。まさに時間を忘れて。いんやほんまに充実ジュージツ。