ますだいっこうのあと@ベルリン

在ベルリン/俳優・ゲイ/演劇コーヒー映画アート読書都市旅ドイツ語/ikko119[あっとまーく]gmail.com

『Die Mitte der Welt』

トラック走り歩きサッカー練習試合観戦階段掃除。U5バスM48。『Die Mitte der Welt』@Xenon Kino。読み終わったばかりのAndreas Steinhoefelアンドレアス・シュタインヘーフェルによる同名ヤングアダルト小説の映画化。苦心惨憺アルファベットで辿った描写何もかもも、当たり前ながら映像では淡々じゃなくタンタンタンと小気味好くあっけなく時に情感たっぷりで進行。煎じ詰めれば17歳フィルのゲイ初恋物語とまだ見ぬ父親へ思いを軸にして小説から再構成してた。転校してきた彼氏ニクラスが登場するシーンで映像が真っ赤になったりフィル有頂天気分が金紙吹雪吹上スローモーション踊りで表現されたりの、いわばちょっと面白がってみました演出は微笑ましいようなまぁなくてもいいよな。そばかす残る小柄細身少年フィルとホームベース顔すでに体見せタンクトップなニクラスとのセックスシーンは、少なくとも標準かそれ以上の持ち物チラ見せも含め、眼福でごじゃりました。そういうとこいわばR12でも省かないのも込みで、同性愛であること自体が悩みとかなんとかじゃまったくないスタンスは素敵、異性双子きょうだいのフィルと奔放な母親とパッチワークファミリーなのはレズビアンカップルだったりもするし。独語の壁的には実は…な説明語りがひとつふたつ理解が追いつかなくて、もし同性愛がらみだからとかで原作読まず観たら完全落ちこぼれだわな、とも。あとね、初めて訪れたこの映画館がなんとも味わい深いのよ。100年超える歴史があってけど今じゃおじさん一人で回してる小屋で、ハコの細長さや高低差のあまりない古びた客席や木の扉開けた半地下のトイレや脳がとろけそうな合い間流れるイージーリスニング演奏の定番映画音楽やで、名画座というより愛を込めて二番館と呼びたくなる気分。初夏先取り日曜の夕方、館界隈はシェーネベルクのちょっと賑わってるあたりで、赤レンガな建物もあったりして自社的ニューヨークのグリニッチビレッジみたい、なんて体感も抱いたりした。デヴィッド・ボウイが暮らしてたのもここらだわ。