ますだいっこうのあと@ベルリン

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『Die kleinen Fuechse』[ベルリン2014]

独語課題、独語講座、案の定宿題は華麗なるスルーで新しい課へ、感情感覚を表す言葉の洪水、二人組みでリストアップする、各イラストの横に形容詞を書いて回る、黒板のイラストに単語カードを貼る、ワークブックをペアで解く、感情か性格かを4人組で分ける、きょう登場した単語を増し盛りして誰かについてテキストをその場で書く、などなど、ならではの丁寧さ。定着にはもっと復習が必要だけどね。前の学校のみならず今日も講師モニカから「あなたの仕事には大切な表現ばかりよ」と言われた、ごもっともデスw。
レオポルドプラッツ市で野菜少量買い、ややクタほうれん草やキノコはおまけしてくれた。GirokontoとSparkontoの関係は相変わらず謎めいてるなシュパーカッセ銀行。郵便局の記念切手カウンターの担当は得てして親切だわ。住居エントランスの鍵を開けてると、背後からの声が「チョトマテクダサイ!」と日本語風に空耳して、ああ休み明けの学校帰りで疲れてるのね、と思いつつ振り返ると、声の主は部屋主家族の子を抱えたベビーシッターで独語で「あなたはドナ(部屋主妻)んちの同居人よね?」と。ウクライナ出身の若い女性で少し日本語を習ってたそう。つまり空耳ちゃうかった!
Die kleinen Fuechse』@シャウビューネ。カフェイン補給して臨む。邦題は戯曲は『子狐たち』、映画は『偽りの花園』、ネットであらすじと人物関係を予習、開場ぎりぎりでプログラムの写真で俳優の顔と役を確認、泥縄だけど効果あったわ。トーマス・オスターマイヤーの新作なのと、ニーナ・ホス主演なので満席、どうにか買えた最安席は後ろから2番目。いつもの前のめり視点ではないものの、充分楽しめた。
黒い、というか黒光り感ある余白w充分な舞台には、2階へ至るにしてはスケール的に誇張された長さの舞台天井まで続く踊り場付き階段、ソファセットとピアノ、引戸で仕切られた奥に食卓。ファルセットボイスも入るメンフィスナンバーまる一曲分で、玄関側上手から人物たちが三々五々登場、食卓へ着くといったんメイドによって戸が閉められ見えなくなる。もちろんやがて席を離れて携帯をしたり、お手洗いにいったり行き来あり、でやっと舞台での会話が始まる。そこまでの導入は実に巧み。ニーナ演じるヒロイン・心臓病み銀行家の妻や兄弟に、経済的には恵まれてるが退屈な生活から抜け出せる“かも”な投資話&投資家が舞い込み、さてどうなる?なお話。最初に舞台の盆が回った瞬間にも舌を巻いたわ。アルコール依存症の兄だか弟だかの嫁がピアノを弾き始めると、じわりじわり位置が変わって、ニーナと投資家の感情関係がクローズアップされていく。その後もこのじわじわ盆回しは幾度も。映画『東ベルリンから来た女』で惚れたニーナのちょいギョロな目演技までは視えない距離だったのは残念だけど、彼女はもちろんどの俳優も佇まいひとつまでスタイリッシュ、そのうえドイツ語洪水まくしたてて客席の笑いも誘う場もあって、←僕は解せなかったけどねw、オスターマイヤー節に満足でしたー。