ますだいっこうのあと@ベルリン

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ネイチャー・シアター・オブ・オクラホマ『ライフ・アンド・タイムズ』

ikkomasuda2012-06-16

ネイチャー・シアター・オブ・オクラホマライフ・アンド・タイムズ エピソード1』@静岡芸術劇場。ふじのくに=せかい演劇祭2012の一環。
これね、2010年にベルリンにいたとき、テアタートレッフェン、いわゆるベルリン演劇祭にきてて、それはその前年にドイツ語圏で上演?製作?された作品から選ばれるっていう流れで、ウィーンのブルク劇場制作だからね、なんだけど、チケットが取れなかったの。劇場がゾフィエンゼーレっていう比較的小規模なところだったせいもあってね。それで今回来日公演が静岡で、静岡だけで、あると知って、ああこれは足を延ばして観に行かなくちゃ、と重い腰を上げたのよ。題名どおり人生の出来事をね、電話でインタビューした言葉?会話?そのもののをね、ミュージカル仕立てにしちゃうっていう作品でね、エピソード2も3も完成してるんだって。演奏が生とは知らなくて、まずプロンプターを先頭にギター?ウクレレ?、フルートと鉄琴、ピアノ&電子ピアノ&ピアニカの担当の人たちが登場して、なんかそうこの時点で『ファンタスティックス』を連想回想してると、白いホリゾントとフラットな白い舞台に、ふくよか体型でややケバい顔つきの女性が現れてね、なんつうか数秒?1分?こう客席を見つめるというか、黙って何もせずにだけどお客さんに開いてる感じで立って、たぶん振付じゃなくて手も振ったから僕はニコニコして振り返したのだけど、それで例えば「えーっとどこから話しましょうかね」みたいな歌詞で、スンと歌と演奏が始まるの。ミュージカルが始まるの。あ、オーバチュアもあったかな。けどでもこうツツツーと流れ込みだす感触っていうのかしら。うんそう、だから暗転もなく、前置きもなく始まるわけなんだけど、とってもとっても幸せな瞬間だったな。で、まあ女性があと二人、しばーらくして男性があと三人、登場はネタ的に?第一印象はかなりスタッフさんも参加してみました的に、現れてね、エピソードはそれこそいわば産湯の記憶みたいな洗面台の泡がどうのこうのから、いろーんなごくごくごく個人的な“エピソード”が続いていくの。ずっとずーっとミュージカル仕立てよ。しかもこうユルい系の、手をヒラヒラさせて左右から盛り上げたりみたいな、そうねファニーなファンシーなラブリーな、どれも愛を込めての表現よ、振付とともにね。その振りってもしや?とは思ってて、アフタートークでも話題になったのだけど、なんと日替わりなんだって。振り指示カードをプロンプターが舞台の前で出してて、そのカードは上演毎にどの順番で出てくるかはやってみないとわかんないんだって。常に作品に対して新鮮であるように、なんだって、ひょぇーだったわよ。10分の休憩込みで上演時間210分じゅうほぼずっとそうなんだもん。で、そうそうエピソードはもちろん複数キャストが語って前後とかが交錯構成されてるから、単純なひと続きにはぱっと観感じられないし、しばらくしてあのどうでもよい話題をぶりかえすのかよ、的なおかしみも感じられたわ。劇的じゃなさはもちろん狙いなのだけど、劇的じゃないがゆえの、そう、子供時代の写真アルバムを見せもらって、本人的にはそれなりに印象的でも、他人にとってはどうでもいいレベルの話が続くのよ、それをブロードウェイなフォーマット?に則って歌って踊って。そんな時間をね劇場dね共有することでね、じわじわーじわじわーと幸福が滲んでくるっていうのかな。当日パンフの岡田利規の文章にある「『舞台上でやられることって基本的に私たちとお客さんが一緒の時間を過ごすための、ただの口実』」って彼らが言ったっていう、ああまさにそうで、ああまさにその素晴らしいを噛み締め噛み締め観てたな。俳優たち、ぶっちゃけみんな極々微妙にヘンなの、目がちぃぃとヤバいの、の、だけども何より、そこに居る、そこに立っている、存在感というか、もっとただのスンと居ます、で居られる、だからこその強さっていうのかしら、それが半端なくてね、てか単純に愛おしくなってくるのよ、それはまあ3時間延々の効果かもだけどさ、そういうのにね、とにかくヤられっぱなしで、終演後劇場外にいた彼ら彼女らを内心ハグしたかったくらいね、ありがとう、また会えますように、など拙い英語で声だけはかけたわ、うん、そうしちゃいたくなるほどだった。あとアフタートークで聞いて少々びっつらだったのは、きっちりした楽譜というのはなくて、作曲に1年間、いわゆる口立てでキャストに歌を覚えてもらうのに4カ月、かけて作り上げたものなんだって。確かに客席から見える楽譜というかは、台詞+メモだけで五線譜はなかったしね。それ凄いよね、なんていうかもう体に音楽が染み込んでるってことでしょ?それは本番でみるカードの指示で振付もこなしちゃうために動きが染み込んでるのと同様で、って俳優のハシクレとしてわざわざ書くのはどうかとも思うけど、やっぱりひたすら凄いなと、それあっての、こういう言い方好きじゃないけど、日本人の俳優では見かけない、立ってるだけで伝わる強さや熱量、にもつながるんだろうなあと。だから、そうそう、作品も好きだけど、キャスト一人一人が……(以下略)。

松屋朝定食。スターバックス新宿サザンテラス。小田急特急ロマンスカー小田原駅から東海道線青春18時期でなければ熱海駅から先も案の定すいてるのね。清水駅でいったんホームに降りてみたもののナーンもなし。東静岡駅。ぶらぶら歩いて見えたイオンで買ったイカ寿司パックを給茶器ある店内休憩所で。早めに劇場へ、淳一くん成島さん夏井さん一樹くん堀切さんと、再会だったり久しぶりだったり。_____。終演後一樹くんとその知人♂2名と初体験コメダ珈琲シロノワールはミニで、演劇話1時間ほど。舞台芸術公園での夜公演に向かう3人と別れ、新幹線案をすて東海道線小田急線が異音トラブルで特急運休で急行は座れたものの空調が寒すぎて半泣き。新宿かのやかき揚げうどんでひと心地。